表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密の時計屋  作者: 宮田 聡仁
4/18

秘密の時計屋ー後編ー

「お別れを伝えたいんです!」

「承知いたしました」


       ※※※※※ 


真ん中の台から丸いカバーをしてピンク色の時計を取り出すと、ふと思いついたようにこちらを向いた 

「美枝さんとご両親はよく似ていますね」

「?」

「わがまま、ということですよ」

その言葉を聞いて私はむっとしていると、クロックは苦笑いをして、褒め言葉ですよ、とよく分からないように言って

「わがまま、ということは『現実を直視させられても諦めない心の持ち主』ということですよ…少なくともあなたは」

「どういうことですかそれは!?」

完全に怒っている美枝に対し再びクロックは苦笑いをし

「あなたのご両親は僕にそれくらいのことをしたのですよ」

「どういうことです?」

先程の怒りを忘れ頭に疑問符を掲げる彼女にクロックは笑顔を向け、タメ口でいいですよ、というと

「それはこの仕事の最後に伝えますよ、じゃあ準備もできましたしそれでは行きましょうか」

「ちょっと待って下さい」

「さっきの顔すっごく可愛かったんで写真取らせて」

「嫌です」

「お願いですから〜〜〜〜〜」

「嫌です」


        ※※※※※


私の写真撮影を全力で断られたので意識消沈中なのだが流石にそれは許可してくれなかった理由は、写真に残るのが嫌、だという宣伝とかはしないのだろうかとも思ったのだが諦めた

今私は気分を切り替えようとしクロックの持っている時計に目を向けた

「いったいそれに何をしたのですか?」

「時計を一回逆に回しました」

「?」

「こういう時計は連合金属でできていてクラス的には上から三番目くらいですね、ちなみに最上級ともなると10世紀時を越えることが可能です」

よくわからなかったが要はその金属は時を越える為に必要、ということなのか

「一回逆に回すことは半日時を戻すということです、つまりあなたのご両親が亡くなったジャンボロケット墜落までに間に合うことが可能です」

「それでは行きましょうか…これのおかげでひと手間省けましたし」

「……はい!」

『貴方の願いを叶える為に時よ巻き戻せ‼』


        ※※※※※


『……………』

『わかってるって行ってきまーす』

『はいはい、いってらっしゃい』

光の中で声が聞こえた私の声だお母さんの声も聞こえる光が消えるとそこには家があった私の家ださっきと違うのは父、母互いに生きていて私の隣にはクロックがいる

「サービスです、時を戻したとき場所も移しておきました、さぁ行って下さい」

そう言うと彼はタッタッタとリズムのよい走りをし一番近くの曲がり角に隠れた

そんなまさか⁉、と思いつつも足は前に進むすると家のドアから両親が出てきた 

カバンを持っていないことに最初は驚いたが何やら苦笑いをし私を決心付けた

「今まで本当にありが」

「そうか、私達は死ぬのか…」

…………………………………………………………え⁉



        ※※※※※


少年は思い出していた、嫌な思い出だ

『お兄……ん逃げ…………』

『クロック‼は…………』

心が壊れた膝が折れたそんな僕に黒い化物がニヤリと笑い僕の頭に手を触れた

『私の息子に手を出すな!!!』

『モウオソイ』

するとその化物は自分の身体に纏わりついた

すると意識が遠のいていき

『フフフ…残念だったなアルバルト·セドリックこの身体はもう私のもとだ』

その声はその言葉は僕じゃなかった、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!

『お父さん…こ…ろして…早く…僕を‼』

『済まないクロック私も早くそこに行く!』

そう言うと父は化物と闘う為に用意した剣を僕の首に添え切断した

意識はそこで飛んだ

「なんでこんなこと今になって思い出した…?」


        ※※※※※


「そうか…死ぬのか」

「え⁉」

「案外短かったですね」

「え⁉え⁉」

「あとはあの子に託すしかないか」

「ちょっと待てーー!!!」

「??」

そこに疑問符を付けた自分の両親にいらってくるがそれを置いといて

「何でそれ知ってるの」

「知ってるも何も、クロックだろ」

「!」

これはおどろかざるをえない何故クロックを⁉何て話したの?

「数年前、彼に頼んだお前のことをな彼はちゃんとお前のことを守ってくれるだろう」

「あと少しで契約が終わると思ったらまさかここで落とし穴にハマるとわな」

するとお父さんは私の私の頭に手を置き撫でた

「人生は激流みたいなものだ、一度溺れてしまえばただ流されもう二度とはい上がることはできない、だがその流れに乗ってしまえばつまらない、逆らえ人生に戦え逆境にお前はそれができる、私達の娘だからな」

「理由になってないよ…」

自然と涙声になっていた、泣いていた涙が一粒、一粒こぼれていった、すると今度はお母さんが抱きしめてくれて

「今は泣いていいんだよ、涙が枯れるまで泣いて顔を上げて」

「うん…………うん!」

お母さんから1歩下がると私は深くお辞儀する

「今まで…………ありがとうございました‼」

「18年間育ててくれて本当にありがとうございました‼」

すると両親の目にも涙が見えて

「「力強く生きてね(ろよ)‼」」

「お前がどうなってもあっちで見守っとくからな」

「それじゃあ…………」

私は背を向ける私なり意志表示だ

「行ってきます‼」

「行ってらっしゃい!」

そして彼女は少年の下へと走り出す


       ※※※※※


「まさか一瞬で見破られるとは……」

クロックの第一声がこれだった

「でも嬉しかったです」

「もう大丈夫ですか?」

「はい…」

「それじゃあ帰りますか」

「はい」

「あっそういえば」

「?」

「無理ならいいのですが秘密の時計屋で働きませんか?」

エッエエエエエエエエエエエエ!!?

「あっ大丈夫住み込みですよ」

絶句したこんな子に対して理性が持つかどうか…

「よっよろしくお願いします」

「はい、よろしくお願いします」

「これ差し上げます」

それは時計だったピンク色の、それを私に手渡すと

『マキモドレ』

その一言でまた眩しい光が押し寄せた


        ※※※※※


次の日

「それじゃあよろしくお願いします美枝さん」

「はい!クロック店長‼」

「店長はいいですよクロックでお願いします」

「はい!クロックさん‼」

「それじゃあ、まずはここの設備からですね…」

クロックがそこらにある時計を取り出して

「美枝さんこれを見てください」

「はーい」

まだ終わらなそうだ私の非日常な日常が…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ