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異世界転移なんてありふれている  作者: たかしゅー
ラントヴァッサ王国
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トリフト領にて3

気づけば四天王の一人、三日坊主を打倒していた。

 少し引きつった顔のギルさんから優秀という評価を貰って冒険者ギルド一階に戻ってきた俺たちは、先ほど担当してくれた受付嬢の所に報告に来た。

 一階に上がる前にギルさんから貰った、金貨とはまた違った金色のメダル。このメダルには金色と銀色の二種類あり、それぞれ優秀と可の証明用のメダルらしい。

 テストが終わったことを告げ、金色のメダルを受付嬢に渡す。


「お疲れ様です。ユキトさん、マサキさん共に評価は優秀の様ですね。ではこちらがお二人のギルドカードにになります。所有登録をしますのでカードに血を一滴垂らして下さい」


 そう言って出されたのは、名刺サイズのカードだった。表面にはテスト前に記入した内容が書いてある。

 言われた通り横に置いてあった針で中指を軽く刺し、ギルドカードに血を一滴垂らす。


「では最後に、先ほどお持ちになられたこのコインを入れと念じながら、ギルドカードに押し付けてください」


 ギルさんに貰った金色のメダルを返されたので、これも言われた通り入れと念じながらギルドカードに押し付ける。すると金色のメダルはギルドカードに沈んでいき、押していた指がカードの表面に触れた。


「ありがとうございます。これにてお二人は六等級冒険者となります。今後はギルドの一員であるという自覚を持っての行動を心がけ下さい」


「はいっ!!」


 これでようやく俺も冒険者だ。そう思うと自然と良い返事をしてしまった。悪い事をした訳ではないが、少し恥ずかしい。

 受付嬢にくすりと笑われた事が、恥ずかしさを一つ上の位へと押し上げる。


「すみません、あまりマサキさんの様な方はいらっしゃらなくて。オホン。それでは冒険者についてご説明させていただきます。冒険者は一等級冒険者から八等級冒険者まで、八つの階級に分かれています。ただし一等級冒険者は八名しかなることができないので、二等級冒険者が実質一番上の階級になります。階級は依頼の達成数や依頼に対しての評価などで常に審査されており、ギルド側の判断で上下します。依頼についてですが、依頼にも階級があり、依頼は自分の階級より一つ上の階級まで受けることができます。また、依頼は討伐・採取・護衛・調査・その他という項目に分かれており、五等級以下の冒険者が護衛依頼を受ける場合は、同じ依頼を受ける四等級以上の冒険者の指揮下に入っていただく事になります。次に規約などについてですが、それに関してはこちらの冊子でご確認ください」


 渡された冊子をペラペラとめくり中を流し読みしていくが、特に難しい事は書いていないと思う。冒険者同士の争いについてや緊急依頼などについて書いてある様だ。


「最後に何か質問はありますか?」


「ギルドカードにメダルが入っていったあれは何ですか?」


「簡単に言いますとギルドカードの勲章管理機能みたいなものです。ギルドカードの裏面をご覧下さい」


 裏面は真っ白で、左上に小さなマークが一つだけ付いていた。


「勲章や許可証などを渡す場合、特殊な加工を施されたメダルも一緒に渡されることがあります。ギルドカードはそのメダルを収納する機能と、裏面に表示する機能を持っています。裏面を見せることによって許可証の提示ができたりする仕組みになっています」


 よく見るとそのマークはギルさんに渡されたメダルと同じデザインだった。


「以上で説明を終わらせていただきますが、何か質問があれば気軽に聞きに来て下さいね」


---


「さて冒険者登録が終わった訳だが、今後についてだ」


 冒険者登録が無事に終わり、ギルド内のカフェスペースに俺たちは移動した。

 ここで、どうやら今後の行動方針を立てる様だ。

 異世界転移で冒険者といえば、普通は、ガンガン大物を狩っていったり、魔獣のスタンピードを一人で押さえたり、とにかく大活躍。その後ギルマスと会ったりしてあっさり最上位冒険者の仲間入り。

 だがしかし、実際にそんな未来は無さそうなのでおとなしくユキトの話を聞く。

 さっきちらっと聞いたが、ユキトが1000人いても一等冒険者には敵わないらしい。前衛と後衛との違いはあるが、俺がユキトと戦ったら俺が負けるだろう。ユキトにもおそらく勝てないのに、ユキト以上の相手なんてムリでしょ。


「ユキトはもう屋敷に帰らないんだっけ?」


「そうだ。なので宿を探す必要がある。まずは宿を探し、その次に武器を探しに行くつもりだ」


 ユキトは家を出るにあたり、今まで使っていた剣や防具を家に置いてきたらしい。それに加え、金もほとんど置いてきたと。

 最悪家に戻れば何でもあるが、できる限り家には頼りたくないと言っていた。

 ちなみに家族と仲が悪いなどという理由ではなく、自分の力でどこまでいけるのか、自分の力でのし上がっていきたいらしい。


「宿だがどこか心当たりとかある?」


「あるが貴族などが泊まる宿だ、冒険者が泊まるような宿に心当たりは無いな」


 フム…

 ならばと思い、先ほど対応してくれた受付嬢に聞いてみたところ、ギルドを出て向かいの建物の右隣がお勧めの宿で、そのもう一個隣がお勧めの武器やだと教えてくれた。

 こういう事は誰か信頼できる人に聞くのが一番良い。変な所に入って嫌な思いしたり、痛い思いはしたくないからな。

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