『うわん 流れ医師と黒魔の影』(小松エメル)を読んで
『うわん 七つまでは神のうち』の続編です。肝心のその前作を読み終わってからこのエッセイを始めたので、いきなりシリーズ2作目からの紹介となってしまいました。
舞台は江戸ですが、妖怪の関わっているストーリーで、作風もティーンズ向けかな?と思うような読みやすさです。
主人公は若い女医・真葛。病に倒れた医師の父の代わりに奔走します。彼女の側にはいつも幼い弟・太一がいます。この太一、闇を統べる妖「うわん」に憑りつかれています。まあ、ある意味自業自得ではあるのですが。そのうわんとの契約のため真葛は妖退治のようなことをしなければならないのです。弟の命を救うために――。
今回は助けを求められて小石川療養所に向かいますが、どうも様子がおかしいのです。同じように助っ人に来ていた流れ医師・春之と行動を共にするようになりますが、彼も何かをかくしているようで……。
小松エメルといえば『一鬼夜行』シリーズですが、うわんはあのシリーズのような可愛げはありません。太一から抜け出るたびにどうにも気持ちが悪くなります。怖さはないのですが、かわいい妖怪話ではないですね。
でも真葛のキャラクターが好感が持てます。キャラ立ちなどはなく、ごく普通の範囲内であるからこそ、この読みやすい小説が軽くならずにすんでいるような気がします。




