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『猫鳴り』(沼田まほかる)を読んで
猫好きは読まないでください!
あ、いや、読んでもいいんですけど、苦しすぎます。小説としての質が高いだけに、猫や動物を好きな人にグラグラ揺れるものがあると思います。
そして、「猫鳴り」とはまさにそのこと。猫が喉を鳴らすことを猫鳴りと呼ぶ登場人物。猫は猫鳴り容れ物なのではないかといいます。
3部構成でそれぞれの人物が取り上げられます。どれも生と死を扱った話になっています。そしてそこには一匹の猫。でも猫はそこにいるだけ。捨て猫だったモンの一生が描かれます。
なんとなくある夫婦が猫と過ごす穏やかな日常の話だと思っていたのですが、沼田まほかる作品でそんなことがあるわけがありません。いつもの濃厚な暗さと重さが健在です。
激しさはないのに力強く押し寄せてくる感情。私の中でも猫鳴りが起こりました。
とても心に残る印象深い小説でしたが、絶対に再読はできません。




