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『雷の季節の終わりに』(恒川光太郎)を読んで
ジャンルで言うと、ホラーファンタジーに分類されるみたいだけど、そんなに怖くはありません。なにしろ、私はホラーがかなり苦手ですし。確かにデビュー作『夜市』もだけど、不気味な空気が漂ってはいます。妖怪は出てこないけど、それに似た雰囲気をかもし出しています。
このお話は、地図にも載っていない隠れ里「穏」で暮らす少年が体験する出来事です。雷の季節というのがあって、その季節には人が消えるんだけど…
ストーリーもさることながら、世界観がなんとも言えない!
おもしろさだけでない、心にざわざわしたものを残す独特の雰囲気。