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『生存者ゼロ』(安生正)を読んで

北海道沖の石油採掘基地で職員全員が肉塊のような死体で発見される。サイバーテロが疑われ、政府や自衛隊、国立感染症研究所などが動き出す。

パンデミックを扱ったパニックもの――と思いきや……。


ウィルスなのに寒い地域での発生に最初は違和感を覚えますが、そのあたりもきちんと解決します。


北海道と東京(政府・感染研)だけが舞台なのに、とてもスケールが大きな印象を受けます。読んでいて何度も、顔をしかめ全身に力が入っていたことに気付いて大きく息を吸いました。けして軽い読み物ではないのに480ページ一気読みでした。


パニックものの定番の嫌な奴も出てきて、もどかしい思いが募ります。立場だけは立派な無能な政治家や専門家が本当にイライラします。

それに対し、行動を起こしていくチームの登場人物はバックボーンに重みがあり、ストーリーに深みが増しています。


正直、被害状況の描写はかなり気持ち悪いです。人もたくさん死にます。抵抗のある人はやめた方が賢明だと思います。


パニックものといえば、どうしても映画にお株を取られがちですが、この作品は十分に読みごたえがありました。


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