表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
277/278

『わたしの宝石』(朱川湊人)を読んで

今まで言っていたかどうか覚えていないのですが、朱川湊人はかなり好きな作家さんです。私は読むときは完全に読者でしかないので、あまり他人の書いたものを読んで「私もこういうの書きたい」とは思わないのですが、この方の作風は私が書きたいと思うものにとても近い気がします。(むろん、だからこそ似たようなものは書くまいとも思います。個性大事。)


ホラーも書かれますが、柔らかなノスタルジーの描き方が秀逸です。この本は短編集ですが、どれもノスタルジックな香りがします。連作ではなく、それぞれ独立した六編の物語。『わたしの宝石』というタイトルですが、まさに一編一編が宝石のように輝いています。あ、いや、宝石というより、砂金みたいな感じかな。ラスト付近で小さくキラリと光って、また埋もれてしまう。そんなささやかだけど、たしかにあった輝き。


すべて優しい切なさが残りました。

中には「これ、楽しめるかな? 入り込める気がしないな」と若干不安になる話もありましたが(誇張がすぎる印象の性格はいいがとんでもなくブスな女子とか、いい大人になって韓流スターの大ファンになる中年男性とか)、どちらも滂沱の涙でした。

すべてが心に滲みる話です。案外、現実でもみんなこういう人生なんだろうなと思ったり。だとしたら、生きることって尊いなと感じたり。

文章も静かで、派手な展開があるわけでもないのですが、あっという間に引き込まれました。移動中のお供ではなく、おこもり中に読むのに最適な小説でした。いいタイミングで読むことができて満足です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ