『怪物の木こり』(倉井眉介)を読んで
話の始まりは、サイコパスの弁護士が帰宅中に怪物マスクを被った人物に斧で襲われたこと。
もうそれだけでネタ大渋滞ですよね。
なんといっても掴みが素晴らしかったです。最初からアイデアの大盤振る舞い。これだけの強烈な要素を冒頭で投げ出してしまったら、この先はどうするんだろうと余計な心配をしてしまうほどでした。
第17回このミス大賞(2018)受賞作ですから、掴みではホラー要素満載でも、サイコパスと警察のどちらが先に真犯人にたどり着くかというミステリーです。怪物は斧で頭部を破壊して脳を持ち去るという連続殺人鬼。この人物を探し当てるのが物語の主軸になっています。
構成に関しては、シーンの切り替えがテレビドラマっぽいなと感じました。サイコパスサイドと警察サイドが平行して語られていくのですが、片方のラストシーンのセリフが場面転換後の別サイドのセリフへと繋がっていくという形が何度もとられています。そのため、双方が抜きつ抜かれつ真相に迫っていく様がとてもよく伝わってきました。
文体というか文章が若干私にはしっくりこない感じがあったのですが、それを補って余りあるおもしろさでした。ただ、グロいです。文字だと脳内モザイクをかけられるのが便利ですね。




