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『この世の春』(宮部みゆき)を読んで

登場人物紹介に田島半十郎を入れたげて〜!

……あ。すみません。なかなかいいキャラがいたもので、つい。


さて。こちらの小説は、文庫本で上中下巻。

宮部みゆきさんはあらすじも読まずに買ってしまう作家さんのひとりです。なんかもう好きとかそういうの超えて、手に取らずにいられないなにかがありますね。見つけたら即レジに向かっています。なんだろ。呪でもかかってるのかな?


時代物です。……時代物、なのかな? たしかに時代設定は江戸時代なんだけど、どんなジャンルかって紹介する際に時代物の要素がもっとも大きいといえるんだろうか。ミステリーであり、サスペンスであり、心の話であり、恋愛要素もあり、妖しげな術とかも出てくるし……。とにかくいろいろ含まれています。(あれ? 説明終わっちゃった。セツメイニナッテナイ)


下野の北見藩長尾村。元作事方組頭で隠居生活中の各務数右衛門とその娘・多紀のもとに、見ず知らずの女が幼い子を抱えて駆け込んでくる。御用人頭・伊東成孝の嫡男とその乳母だった。そんな始まり。

その背景には、若き藩主・北見若狭守重興(しげおき)の僅か数年で突然の隠居と、重興が重用していた伊東成孝が切腹するという政変があった。

間を置かずして、重興の隠居は乱心のための押込(強制隠居)であることがわかる。

各務数右衛門は元上士とはいえ上層部と関わりのあるような立場ではなかったはず。それなのに多紀は深く関わるようになり……


メインストーリーは重興の乱心の理由を探り、治癒を目指すもの。

怨霊説もある中、先進的な蘭方医が診ることにより現実的な解釈がされていきます。医者によると、つまりは心の病って解釈なんですけども、そこに秘められたことのおぞましさに読みながら顔をしかめていました。怖いとか気持ち悪いとかを超えた嫌悪感。けど、それだからこそ乱心や周囲の反応がリアルに感じられました。

それでも「この世の春」の訪れを信じられるような最後でした。


複雑な上にミステリー要素を含むので、ほんの冒頭しかお話できませんでしたが、どっぷりのめり込めるおもしろさでした。

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