『真夜中のマーチ』(奥田英朗)を読んで
奥田英朗さんの小説を読むのはかなり久しぶりです。
現在本棚にあるのは『サウスバウンド』だけですね。ほかにもいくつか読んだことがあるはずなのですが、ちょっと思い出せないくらい前に読んだようです。
その頃の印象と変わらず、とても読みやすい作風でした。
やくざのフルテツとも繋がりのあるパーティー屋のヨコケン、一流企業に勤め記憶力に優れているのに鈍臭いミタゾウ、過去に母と自分を捨てた富豪の父を憎む美女クロチェ。
それぞれの思惑で大金を狙っていた二十五歳の三人が出会い、互いの利益のために手を組むことになります。狙うは10億円。
あらすじにはクライムノベルとありますが、ドタバタコメディですね。
登場人物はみなキャラが濃く、テンポがよいので、サクサク読み進められます。まったく役に立たないクロチェ弟とか、詐欺師の中国人とか、困った人や怖い人が入り乱れてわちゃわちゃします。
三人はフルテツや中国人と10億円を狙って取ったり取られたり。ハラハラする緊張感よりはミスやアクシデントもポンポン進んでいくので、純粋に楽しめます。
ご都合主義な展開もありますが、けして欠点ではなく、そういった展開も含めて楽しめます。
内容は犯罪なわけですから、善人らしい善人がいないような話なんですけども、完全なるエンターテイメントなのでみなさん愛らしいキャラです。
私は紙の本でこういったドタバタコメディを読むことが少ないので、ちょっと新鮮でした。やっぱりいろんなジャンルを読んでいきたいものです。




