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『許されようとは思いません』(芦沢央)を読んで

(今回、具体的内容には触れていません。あしからず。)


この方の小説はまだ4冊目。でも積読の中で待機している本もあります。出ている作品はすべて読む予定です。だいたい気に入った作家さんに出会うと全作品読んでいます。ただ、そんな出会いは結構久しぶりです。嬉しい。

私はたまたまホラーから読み始めましたが、丁寧なミステリーを書かれる方です。うん、私の中で「丁寧ミステリー」って表現がしっくりきます。

あとこれは技術的なことのほかに相性もあると思っているのですが、文体が馴染みます。読みやすいってことなんですけど、すいすいさらさら読み進められる読みやすさではなく、すうっと染み込んでいくような読みやすさ。私にとっては、ね。

私でなくても、広い意味でどなたでも読みやすい文章だと思います。これってすごい魅力ですよね。

私自身、読書家とまではいかなくても読者好きの部類だと思うのですが、それでも小説を読むって、ちょっとばかり覚悟というか勢いを要します。構えて読み始めるわけではないけど、マンガとかブログとかを読むようなふらっと立ち寄る感じでは読めません。読み始めればおもしろいってわかっていても、最初の数ページが重いのです。

それが、この作家さんにはほとんど感じません。世界に入りやすいんですね。しかしたいがい嫌な世界ですね。胸を抉られます。残酷だけど、そこに不快感を押し付けることで小説の毒を感じさせる意図はまったくなくて、そこがまたいいです。私、ちょっとひねくれているのか、小説によっては、こういう人間の悪を見せておけば小説のエグさとか存在感がますでしょ?みたいな意図を感じてしまうんですよね。もちろん、作者はそういうつもりではないことが多いと思います。思うけど、そんな感じがしてしまうと冷めます。勝手な読者です。まあ個人の好みなんてそんなもんかなと。


でもって、『許されようとは思いません』は、5編の短編集です。連作ではなく、完全独立の5編。

ミステリーの、しかも短編の紹介って怖くてできません! なので、しません!(感想エッセイですらなくなっている…)

どの話も出来事が綺麗につながっているイメージでした。あるできごとが次なるできごとを呼び込み、それがまた……という。それって現実でも小説でも当然のことなんですけど、そのつなぎが滑らか。つるつると行ってはならない方に滑っていってしまう。それはサスペンスであったり、心の闇であったり。

なんとまあ、いい話はありません。いや、でも読後感がほんわかするのはありましたね。


と、ここでふと帯を見たら「初回限定 スペシャル掌編掲載!! カバー裏にも謎がある!」ですと!? ぺらりと捲れば、カバー裏面に文字がびっしり! もお〜、なに〜、これだから紙の本って好き〜!! 今から読みます。

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