『逢魔が時に会いましょう』(荻原浩)を読んで
シリアスで泣ける話からユーモア溢れる勢いのある話まで書く作家さんですが、この本はユーモアよりもコミカルに近い感じで、読んでいて何度か「誰が書いた本だっけ?」と思ってしまいました。ポップな雰囲気というか、キャラ文芸といったところでしょうか。
一風変わった民俗学准教授の布目。そして勉強よりも自主映画に力を注ぐ大学生の高橋真矢。行きがかり上、真矢は布目の助手としてフィールドワークに同行することになります。
座敷わらし、河童、天狗の正体を調査します。
布目はまっとうな学者らしく、安易に妖怪が存在するとは考えていません。妖怪のせいにして、現実との折り合いをつけてきた文化を調査するのです。
真矢は霊感ならぬ妖怪感のようなものを持ち合わせていて、なぜか彼女は妖怪現象にやたら遭遇します。時には現実的なことを怪異と勘違いしたり、逆に怪異に気づいていない天然っぷりを発揮したり。
それでも布目の立ち居位置がきちんと現実にあることで、ファンタジーの割合が控えめになっている気がします。とはいえ、現実にしっかり足がついているわけでもなく。どっちつかずの調査結果はローファンタジー要素のある児童文学を読んだみたいな読後感でした。
まあとにかく読みやすいです。
この作家さんの小説はどれも読みやすいのですが、これは特に軽い読み心地。サクサク気軽に読める一冊だと思います。
内容的にシリーズになりそうだけど、どうなのかな?




