『などらきの首』(澤村伊智)を読んで
『ぼぎわんが、来る』の比嘉姉妹シリーズ三作目にして初の短編集。もちろんホラー。
前ニ作より過去の話なので、より詳しい設定を知ることができておもしろかったです。シリーズの一作とはいえ短編集なので、どのタイミングで読んでもよさそうですが、やはり前二作を読んでからの方が繋がりを楽しめると思います。
本編ではその存在しか示されていない次女の美晴の小学生時代の話。真琴が今の部屋に住むことになった経緯。野崎と真琴の出会い。野崎の学生時代。など。
長編がおもしろい作家さんが短編もおもしろいとは限らないと思うのですが(やはり得意な方があると思うのですよ)、澤村伊智はどちらもおもしろかったです。
それと、これはもしかしたら、私だけが感じるのかもしれませんが、短編のうち何編かは締め方が印象的でした。カットアウトされた感じなんですよね。もう数行あるのかとページをめくると白紙で。フェイドアウトの余韻とはまた違う、プツリと切られたが故に、読者の感情だけが勢いあまって数歩余分に進んでしまったような気分になりました。
私の気のせいかもとは思うのですが、新鮮な体験でした。こういう締め方、おもしろいです。
表題作の「などらぎの首」は、構成やストーリー展開が短編ならではの美しさがありました。これは幾度か怖さの質が変化するところが好きです。それだけ言ってもなんのこっちゃだと思いますが。
一口にホラー短編集といっても、いろんな怖さの短編が揃っていました。感動系のあまり怖くないいい話もありました。
比嘉姉妹シリーズ以外も読んでみたいです。アンソロジーや文芸誌以外に、一作だけあったはず。探してみます。




