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『パラレルワールド・ラブストーリー』(東野圭吾)を読んで

裏表紙のあらすじより。

親友の恋人は、かつて自分が一目惚れした女性だった。嫉妬に苦しむ崇史。ところがある日の朝、目を覚ますと、彼女は自分の恋人として隣にいた。混乱する崇史。どちらが現実なのか?


タイトルとあらすじから、少し不思議系のファンタジー寄りの話だったら、私の好みより甘すぎるな〜と思い、期待していなかったのですが、少し不思議のSFではなく、空想科学のSFでした。

崇史を含む主要人物は次期型リアリティ……仮想現実の研究開発を仕事としているのです。

二つの世界が交互に描かれ、次第に謎が浮かび上がる展開。物語が進むにつれ、SFミステリーの様相を呈してきます。甘さ控え目になってきていい感じ。それでいて硬派なSFミステリーではないので、SFに苦手意識のある私でも入り込みやすいストーリー。


彼女は麻由子という女性。

麻由子が親友の恋人である方の世界では、「俺」の一人称で進行します。一方、麻由子が自分の恋人である世界では、「崇史」の三人称一視点で描かれています。この人称の違いはなんなのか。読み進めている最中は、三人称の方は一人称に比べて客観性が高まるため、こちらが仮想現実という位置付けなのではないかとの印象を受けました。


……と、ここまでは前半を読書中に書きました。

なにしろ私、天才的に忘れっぽいもので、読み終えた時には何を読んだか、何を感じたか、あまり覚えていないんですね。短期記憶が短期すぎる……。


で、後半は先が気になって、思ったことをここに書いていくことすら忘れていました。後半ねぇ、面白いですよ。

びっくりするほど意外な謎が隠されているかというと、前半で親切な伏線が多々あることによって、そこまでの意外性はないと思うのですが、それでも先が気になる展開でした。描き方、なんでしょうね。

私の好みとしては、意外性よりもいかに楽しく読ませてくれるかが重要だったりするので、この小説は満足しました。


ただねぇ……ちょこちょこ言っていることですが、やはり個人の好みとして、男女間の描写に抵抗が……。一般的にはどうってことない描写だとは思うのですが、どうも生々しく、ある種のグロさを感じてしまい、そのシーンだけ物語から引いてしまう自分がいて。それだけが残念でした。まあ私の場合、ってことです。たぶん気にならない方がほとんどかと。


記憶の混乱の話は面白いですね。

その分、読者が混乱しないように書かれるのはすごいことだなあと感じました。

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