過ぎてく日常、加速する世界
チュンチュン
目覚まし時計のベルが鳴る。それを止める。
「ふぁ…」
あくびをひとつ咬み殺す。洗面所にむかい顔を洗う。朝食のパンを食べカーテンを開ける。日差しが俺の体にささる。いい朝だ、いつも通りの……
「おーい!神原ー!学校行こうぜー!!」
じゃなかった、風松はあの事件以来とてつもなく俺に好意を抱いて親友のように接してくる。まぁ嫌じゃないが……鬱陶しいのが本音だ。あの事件から一週間が過ぎた。俺達の日常は、とてつもなく平和だった。
キーンコーンカーンコーン
新平井にある『東京特別軍事学校』俺と風松はそこの生徒だ。門をくぐり下駄箱に向かう。
……周りの視線が痛い、とても痛い。俺はあのゲルス襲撃の一件で不思議なファイターに変身してゲルスを一掃した。『神原智晴が見たこともない姿に変身した』と言う噂は音の速さで広まった。そして……
「なぁ、神原!今日も飯一緒に食おうぜ!!なあ!」
風松はずっとこうだった。変身したと言う噂より速い速さで『風松×神原』と言う腐ったやつらの妄想が焚きつけ噂にもなった。これだけはとても辛い。
はぁ、早くこの噂なくなんないかな……
キーンコーンカーンコーン
よし、今のうちにどっかに退散……
「神原!飯行こうぜ!」
出来なかった。仕方ない…
俺は席を立った、すると
「生徒の呼び出しをします。神原智晴君、至急、理事長室に起こし願います。繰り返します………」
クラスの視線が俺に向けられる。辛い……
俺は理事長室に向かうために教室をあとにした。
「失礼します」
俺は理事長室の扉を開けた
「やぁ、神原君。よく来たね」
理事長、大門光章。19歳にして陸上自衛隊の1部隊隊長であり特別迎撃軍結成時に特別部隊の隊長になり生還率100%を記録している超すごい人。だけど五年前にゲルスとの戦闘で左肩を負傷、前線を引くことになった。だが過去の実績を目に付けた政府が学校を設立させて彼のような戦士を欲しがり出来たのがこの学校だ。
「えっと…どんなご用件で?」
「あぁ、君がファイターとなりゲルスを倒したことでね、軍の人から貸してくれと頼まれてね、ひとついいかな?」
やっぱりか、いつかくるとは思っていたがまぁ、いいや
「いいですが…どんなことですか?」
「異世界調査だ」
「それじゃあこのゲートを通れば軍の人が歓迎してくれるよ」
理事長室からエレベーターで地下にむかった先には大きな虹色に光る門があった。成程ワープゲートか。
「では、いってきます」
俺はおそるおそるゲートをくぐった。
ゲートをくぐるとそこは
「……!」
脇腹に鈍い痛覚がおき横に吹っ飛ぶ。地面に勢いよく倒れた。
「痛ってぇな誰だ!」
「へぇ、こんな軽いやつが遺跡のファイターだなんて…興ざめだわ」
「人を蹴っ飛ばしておいてなんですかその言い草は!」
「やめなさい」
「リーダー」
「ごめんなさい、部下が無礼を。私は九条晶。今日はよろしくね神原智晴君」
「あ、神原智晴です。よろしくおねがいします」
九条晶、二十七歳にして特殊迎撃部隊のリーダー。実力も上に認められているエリート中のエリート……
「で、こっちが来島千歳伍長よ」
「…………」
挨拶おろか目も合わせないなこいつ。よくみたら俺と同い年か?
「来島伍長はあなたの一つ上の歳よ」
心を見透かされたように九条さんは言った。マジかほぼ変わらないのに特殊迎撃部隊に所属してるのか。
「やらしい目で見てんじゃないわよ変態」
………風当たりキツイなおい、俺まだなにも変なことしてないぞ………
「ごめんなさい、極度の男嫌いなの」
あ、そゆこと。けどいきなり蹴りはないだろ蹴りは……
「あの、それで呼び出された訳は…」
「私達と一緒にある遺跡の調査に同行して欲しいの」
「遺跡…ですか?」
「えぇ、どうしてもあなたに見せたいものがあってね」
見せたいもの?なんだ?
「わかりました」
「じゃあ作戦開始は14:00第一ゲートに」
「はぁ、なんか少し疲れた」
九条さんに案内された部屋のベットで横になる。なんで疲れたってあの来島さんだ、終始俺に軽蔑な目を送ってきた。男嫌いでもあれは重症だって……
コンコン
ん、誰だ?九条さんかな?
「どうぞー開いてまーす」
その言葉を言ったコンマ一秒後……
ドバドバドバ!
女の人達が押し寄せてきた。
「にょわぁぁぁぁぁぁ!」
押し倒された、いや押しつぶされたと言うべきだ。
「へーこの子が」
「可愛い顔してるぅ」
「まだ信じられないわ」
女の人たちは俺を見るなり色々言ってくる
「あの誰ですか?」
「あぁ、わたしは南波明希。『falcon』のメンバーよ」
「『falcon』?」
「九条リーダーの部隊の通称。他の部隊にもあるわよ。私は亀津百合子、よろしくね」
「鳴海夏妃よ」
「で、何の用件で?」
「任務一緒にするから挨拶よ」
と南波さん
「どんな子か気になってたし」
と鳴海さん
「ちーちゃんが初めて男の子に興味持ったほどだしね〜」
ちーちゃん?あぁ、来島さんか
「興味なんて持ってません!いつもいつも適当なこと言わないでください!」
扉から来島さんがものすごい剣幕で顔を赤らめて否定してきた
「何ジロジロ見てるんですか、気持ち悪い…」
「ちーちゃんツンデレ〜」
「相変わらずよねー」
「それも良さだけどダメな時もあるわよ千歳」
火に油を注ぐお三方、やめてください。
来島さんが一層に顔を赤らめ
「そんなんじゃないですーーーーー!」
超怒鳴った
「なによ騒々しい」
「「「「リーダー」」」」
「九条さん、すいません」
「作戦開始十分前よ準備なさい」
第一ゲート前
「準備いいわね」
九条さんがワープゲートの前に立ち確認する。
「OK」
「いつでも」
「にょーん」
「問題ありません」
「神原君は?」
「大丈夫です!行けます!」
皆の顔を確認した九条さんはバイクに股がり
「チーム『falcon』神原智晴、レディー………」
「神原さん」
「何?来島さん?」
「足だけは引っ張らないでください」
「わかってるよ」
「……ゴー!!」
合図と同時にアクセルを回しゲートをくぐる。
今、俺達の冒険が始まる!
To be continued
あ、今回変身してないΣ(゜ロ゜;)
次回は遺跡調査で凄いことに!
お楽しみに
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