Prologue
西暦2022年5月17日
埼玉と東京の県境に大きな屋敷がある。
その屋敷に住んでるのは《栗原家》である。その《栗原家》は世界的にも貴重な人材がいる名家だ。
その理由は、栗原家は何かしらの能力を持っているからだ。
現在、《栗原家》は8人家族であり、8人中6人の能力が確認されている。栗原家三男はもうすぐ能力が覚醒するだろうと世界中の研究員が直言する。栗原家四男(末っ子)は覚醒にはまだ時間がかかるといわれている。
そんな《栗原家》であるが、実は経済にもかなり影響している。そして10年前から始まっている就職氷河期にもかかわらず此処だけ就職の春だったりする。毎年それなりの数の大学卒業者が入ってる。
この《栗原家》は現代版財閥な感じであり、直属&付属の警備会社や付属の商会や付属の大学などがある。
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湊(主人公)Side
「―――――さ―!」
ん~~、誰の声~?
「お――――――さい!」
なんとなくだけど、執事のような気がする。でもこの至福の時間を1秒でも長く、なが・・・Zzz
「湊様!起きてください!朝食の時間ですよ!」
「セバス、後1時間~~」
「何が一時間ですか、はぁ。布団引きはがしますよ。もう15歳だというのにこの時だけ4歳から変わらないのは何故ですか?進歩しませんね、湊様は」
ガバリ
セバスが俺から布団を引きはがした音が響く。
うーっ!寒っ!5月だからまだ寒いよな。室内気温13度だとよ。エアコンつけとけば良かったな。あー後悔した。
「着替えt…………着替えは朝食の後で良いですから早く行ってください」
「わかぁーた」
「はぁ」
セバスの本名は高橋 蓮。俺以外の家族は皆「蓮さん」と呼ぶんだけど俺は「セバス」呼ぶ。本人も「セバス」と呼ばれて嬉しそうだしね。漫画とかアニメとか小説とかに影響されてると思うが。そんなセバスも栗原家の執事長だったりするんだよねー。ちなみに栗原家では9人の執事が働いている。その内3人が日本人だ。あとはヨーロッパ圏から来ている。
ガチャッ
後ろからついてきたセバスが扉を開けてくれる。栗原家の屋敷は外見は和風の屋敷だが、中は半分和風、半分洋風だ。食事の部屋は洋風だ。
「おはよ、湊」
「おふぁよーごじゃいましゅ」
「欠伸しながら挨拶してんのw」
「あらまぁ」
「ははは、湊らしいな」
「あんた寝不足だろ。夜何してんだ」
「勉強してるか、パソコンやってんじゃねーのか?」
「そうかもな」
朝食の時挨拶しようと思ったら欠伸が出てしまった。まぁ、寝不足ってのは否定できないが。
パソコンで勉強していたのだ、だからしょうがないだろう?さっきから俺は誰に言ってるんだろうか。
◆◇◆◇◆◇
朝食を済まし、自分の部屋に戻り着替えた俺はちょっと走ろうと思って玄関の扉を開けた。
しかし、そこは見慣れた自宅の庭が見えた――――――――――――――
―――――――――――が、機関銃の音が聞こえてきた。
湊 SideOut