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第17話「港の静寂」

雪は止み、港町には静かな白銀の世界が広がっていた。灯台の光がゆらめき、波止場に反射するその光は、まるで二人を包み込むようだった。


拓海と美咲は手を握り合い、雪の上に立つ。頬に触れる冷たい空気、潮の香り、遠くで聞こえる波のさざめき――五感のすべてが、この静寂を現実として感じさせる。


「静かだね…」

美咲の声が柔らかく響く。幼いころ、灯台の下で風の音や波の音に耳を澄ませた日々を思い出す。その記憶は、胸の奥で暖かく、しかし切なく光る。


拓海は手を握り返す。指先に伝わる温かさは、過去の後悔や不安をすべて溶かすようで、胸に静かな安堵が広がる。雪の白さが二人を包み込み、世界のすべてが一瞬止まったかのようだった。


「ここまで来てよかった」

拓海の言葉に、美咲は微笑みを返す。涙と笑顔が混ざり合い、静寂の中で胸に温かい感情の波が押し寄せる。灯台の光が二人の影を優しく伸ばし、過去の約束と今の決意を結びつけていた。


港町の静寂は、ただの静けさではなかった。雪景色、光、潮の匂い、波音、そして互いの手の温もり――すべてが、二人の絆を確かに刻む時間だった。


胸の奥で、涙が溢れる。静寂の中で、愛と希望、過去と未来が交わり、二人の時間は永遠のように感じられた――。


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