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第16話「過去と未来の交差」
港の雪景色は静かで、灯台の光が波止場を柔らかく照らしていた。拓海と美咲は、手を握り合いながら立ち止まる。雪片が頬を撫でるたび、幼い日の記憶が鮮明に胸をかすめる。
あの日、秘密基地で交わした笑い声。灯台の下で交わした約束。肩を寄せ合ったあの温かさ。すべてが、この雪の港で現実と重なり、胸に深く響いた。
「拓海、覚えてる?」
美咲の声が微かに震える。笑顔の裏に隠れた不安が、過去の孤独を呼び覚まし、しかし今の温もりと交わることで、涙に変わる。
手紙の文字が、過去と現在を結ぶ架け橋となる。幼少期の美咲の想い、祖父の知恵、今の彼女の決意――すべてが交差し、胸の奥で静かに爆発する。雪の冷たさも、灯台の光も、波の音も、五感すべてがその感情を増幅させた。
拓海は深く息を吸い、手に握る美咲の手の温もりを確かめる。過去の後悔も恐怖も、今の決意と交わることで意味を持つ。未来はまだ見えないけれど、この瞬間、二人の心は確かに交わった。
「これからも、一緒に――」
声に出す言葉は、過去と未来をつなぐ約束の証。雪に包まれた港町で、二人の時間は静かに、しかし永遠に刻まれるように感じられた。
灯台の光が雪景色に揺れ、港を白く染める。過去と未来が交差した瞬間、胸に込み上げる感情は、涙と笑顔を同時に呼び起こした――。




