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第11話「手紙の秘密」

港に近づく雪道で、拓海は再び手紙を握りしめた。祖父の文字、美咲の小さな文字――その紙の感触が、胸にじんわりと温かさを伝える。しかし、手紙の封を開いたとき、拓海は知らなかった秘密がそこに隠されていることに気づく。


文字の間に、密かに書かれたメッセージ。幼い頃の約束を知る者だけに伝わる、彼女からの小さな応援の言葉。読み進めるたびに、拓海の胸は締め付けられる。幼少期の思い出、病室で見た微笑み、そしてこの手紙――すべてが一つの線となり、心の奥を貫いた。


「ずっと…僕を待っていてくれたんだ」


涙が自然と頬を伝う。手紙の温かさ、紙の質感、雪の冷たさ、風の匂い――五感すべてが、感情の高まりを増幅させる。灯台の光が雪に反射し、小さな光の道を作る。それは、過去と現在、そして未来をつなぐ光だった。


幼少期の秘密基地で交わした約束が、今この瞬間に生きていることを実感する。拓海は手紙を胸に押し当て、深く息を吸った。後悔、愛情、恐怖、希望――すべてが混ざり合い、胸の奥で熱く燃え上がる。


「この約束、絶対に果たす」


雪に包まれた港町で、拓海の足は止まらなかった。手紙の秘密が胸に灯した光が、港へ向かう道を確かなものにする。幼少期の誓いが、今、現実を動かし始めた――。


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