残業確定
※NOVEL DAYSと重複投稿です。
南と谷のやりとりが終わり、時刻はもう16時を過ぎていた。
「楪さん、お忙しいところすみません。実は、今さっき南さんからパソコンでメールが来まして...」
「ん、谷さんどうしたの?原本データはもらえた?」
「その件なんですけど、私に届いたメールを見て頂きたいです。(グスン、グスン)」
(また、南さん何かやらかしたのかな。大事じゃないといいけど...)
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谷さ~ん、南です!さっき言われてたデータなんだけど、やっと見つけたと思ったら壊れてるみたいで。ごめんなんだけど、一回谷さん、もとの原本データ作ってくんない?紙の書類はあるからそれみたら一応作れるよね?引き継ぐみたいだから私やんなくていいかな?遅くなってごめんね~よろしくです! 南
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谷さん宛に送られた南さんのメール内容を見て私は驚きと怒りを隠せなかった。
「え...?どういうこと、データがないってこと?明日の午後までには書き換えないといけないんでしょ、間に合わなくない?というか、南さんさっきから見当たらないけどどこ行ったの?こういうことは、メールではなく直接本人に伝えるべきことよ。(いや、内容もめちゃくちゃなんだけど)」
「さっき化粧室でお会いしたので、原本データの作成を手伝ってほしいとお願いをしたら,,,」
『「谷さ~ん、ごめんなんだけど私、今日友達と合コンあって~!早めに上がることにしてるの!私が手伝っても逆に迷惑になるから、谷さんおねがいしてもいい?谷さん優秀だから大丈夫だよ!よろしくね~。」って、言われてしまって。(グスン、グスン)』
「(南さんって本当無責任ね。信じられない。)仕方がないわ。谷さん、私も手伝うから今から取り掛かりましょう。こんな量の原本データは一人じゃ終わらないからね!私は、近々締め切りのものもなければ、今日する分の作業も終わっているしね!」
「楪さん、(グスン)本当にありがとうございます」
谷と楪が作業に取り掛かりはじめ、もう気づけば外は真っ暗。時刻はというと20時を過ぎていた。
「この原本データ相当作成に時間がかかるわね。時間も遅くなってきたし...。谷さん後どのくらいある?」
「私は、あと11ページ分あります...(うぅ...、グスン)」
(これじゃ、谷さんの体も持たないわよ。入ってばかりの新人に無理はさせられないからなぁ。ただでさえ、他の人との人間関係や覚える仕事内容、作業もあるっていうのに...)
「谷さん、あなたはもう上がりなさい。身体がもたないわよ。残りは私がやっておくから!」
「でもそしたら楪さんの身体が持たないですよ、今後私が管理しないといけないデータにもなりますし。残りはやはり私が...」
「谷さんいいのよ、頼ることも時には必要になるんだから!ただでさえ、まだ慣れない環境でしょう?気疲れとか、仕事の疲れとかがあるんだからここは私に任せて帰りなさい!そのかわり、明日の午後までには必ずデータは書き換えてね!」
「楪さん本当にいいんですか?明日の午後までにはデータ書き換えをちゃんとします!本当にありがとうございます。」
「うん、じゃあ、また明日ね!」
「すみません、お先に失礼します」
谷も帰りオフィスの電気は楪の机と奥の方にある机の2か所のみとなった。
「ん?奥も電気光ってない?あれ誰の席だっけ?.....はぁ。って言ってる場合じゃないのよ。今からは一人でしないといけないんだから。」