谷さんと南さん
※NOVEL DAYSと重複投稿です。
「楪さんすみません、この書類の原本データを頂きたいのですがお持ちですか?」
この子は、谷香織さん21歳。最近この会社に入ってきたばかりの新入社員。丁寧な言葉遣い、仕事ぶりで周りの人も私自身も職場の後輩としていろいろと教えている。
「谷さんごめんね、その原本データは私が管理しているものではないんだよね。南さんっていう私の隣の隣の真向かいに座っている方が管理しているのよ。南笑子さんなんだけど、話したことなかったかな?ついてきて、一緒に行ってあげる!」
「あ、ありがとうございます!助かります!」
(ん〜、ほんといい子!それに比べ、南さんちゃんと管理してるわよね?あの子この前大事な書類にコーヒーこぼして私まで怒られたのよ。まぁ、私が直々に上の人に頭を下げていい感じに取り繕ったけど…)
「南さん。この子は入ってきたばかりの谷香織さんです。よろしくお願いしますね。」
「谷香織です、南さんよろしくお願い致します!えっと、頂きたい原本データがありお声掛けさせて頂きました!」
「あ〜谷さんっていうのね、私は南笑子。にこにこ、みなみにこだよ〜!よろしくでーす!で、用件って何?」
南笑子、23歳。同性の人からはあまり好かれないが、異性からの人気が高い。仕事ができないというよりか仕事をギリギリまでしない。迷惑をかけてばかりだが異性に媚を売って助けてもらえる人みたい。
「あ、えっとすみません。この書類の原本データを頂きたいのですが、お持ちですか?今度から私が引き継ぐことになりまして」
「あ〜この書類の原本データね、南持ってるよー。どこやったかな?ちょっと待ってて、後ででいい?とりま、こっちの仕事の処理の方が忙しいんだわー。後でデータを移し替えて持ってくから。よろ〜。」
「谷さん、あとでもいい感じかな?そのデータはいつまでにほしい感じ?」
「明日の午後までにデータ書き換えをしないといけないので今日の15時くらいまでにはお願いしたいですが、南さん大丈夫でしょうか?」
「ん〜、15時15分までとかじゃだめ?あ〜やっぱり15時半まで待って!」
(いやいや、それはちょっと遅すぎよ。原本データなんて、すぐ渡せるでしょう?10分もかからないんだから…)
「南さんすみませんが、谷さんも入ったばかりですので、早めにお願いします」
「はぁ…。楪さんは良いですよね〜仕事ができる完璧な女性みたいで〜。南にはちょっとむずいんで…」
(私が、仕事ができるって?遅れを取らないために努力をしているのよ…何も知らないで…勝手なこと言わないでよ。)
「いや、でもね、」
「楪さん大丈夫ですありがとうございます。南さん15時半までお待ちしますのでよろしくお願いします!」
「ありがと〜谷ちゃん!あとで持ってく〜」