ボッチの魔王のコスプレ
前書き
2018年11月下旬、舞桜は兄である淳二の自宅で、国民的アクションアニメの登場人物を模した赤い道着を着せられ、自家製空気砲システムを使ってデモンストレーションを行う。舞桜は恥ずかしさを感じつつも、姪や甥を楽しませ、万桜と勇希の冷やかしを風のビームで黙らせる。
その様子を見ていた万桜は、舞桜が世話を焼きたがるのは、姪や甥に手本を示したいからだと純粋な感想を述べ、その言葉に舞桜は心の奥底にある感情を無邪気に言語化されたように感じ、怒りのビームを連打する。
舞桜は、義姉の鞠亜に優しく気遣われ、彼女に対して「お母さん」と呼ぶほど心を許していることが明らかになる。その鞠亜が、夫の淳二に手厳しい制裁を加える様子を見て、万桜は舞桜との間で起こった「プロポーズ」や「キス」の話をあっけらかんと話し、舞桜と勇希を慌てさせる。
舞桜は、幼い頃に淳二と鞠亜に引き取られた際、家族でのコスプレを通じて心を救われた記憶を思い出す。舞桜は、万桜の発明と莉那との共同開発によって生まれた**「BBQエンハンスメントシステム」を淳二に提供し、その優れた機能に淳二は感嘆する。淳二は舞桜**からシステムの商用利用の言質を取り、何やら企んでいる様子を見せる。
そして12月に入り、その企みは現実のものとなる。茅野建設のテレビCMとして、舞桜が実演した空気砲システムが『昇華膨張圧消火システム』として放送され、舞桜は淳二に騙されたことを悟り、絶叫する。そして、休憩室でCMをからかう万桜たちに、怒りの風のビームを浴びせる。
BBQって不思議よねぇ〜?
2018年11月下旬茅野淳二邸。
(ど、どうして、こうなった…)
舞桜は赤い道着、そう国民的西遊記ベースアクションアニメのあの赤い道着を身に着けている。背中には丸の中に『舞』の字が抜かれている。
「舞桜お姉ちゃんかっこいい!」
一番下の甥っ子の黄色い声援に、笑顔を浮かべざる得ない。4つ下の姪っ子の友梨の憐れみに近い視線が心に痛かった。
ドライアイスの昇華の力と業務用扇風機と漏斗で働くベルヌーイの定理による風の加速、いや爆速か。
「かぁ~めぇ」
舞桜は達観したような面持ちで、国民的アクションアニメの必殺技の仕草を真似ていく。
「はぁめぇ~波ぁ~ッ!」
吹っ切れたように舞桜は叫んだ。
ことの発端は、銭湯から帰りの道。
「舞桜、お兄ちゃんに話さなあかんことあるんやないか?」
兄の淳二に捕まり、
「ボッチ、善きに計らえ」
万桜に人身御供として、切り捨てられたことから始まった。技術的な情報連携から来ている。
「なんや! 悟空やんか! かめはめ波やんか?」
これに兄の淳二が食い気味に食いついて――
今に至っていた。舞桜が照射した白い風のビームは、一直線に進み、目標である炎を瞬く間も無く沈下した。
「オッス! オラ、ボッチ!」
「オッス! オラご…」
万桜と勇希の冷やかしを、
「「ぐあッ!」」
舞桜は風のビームで黙らせた。
舞桜は、金髪のカツラをゆっくりと脱いだ。彼女の顔には、大いなる儀式を終えた後の、燃え尽きたような疲労感がにじんでいる。
「友梨、健二…」
舞桜は、姪と甥に優しく語りかける。
「これ、ただの手品だからね。真似して危ないことしちゃ駄目だからね?」
中学生になり、分別をわきまえてきた友梨は、深く頷いた。しかし、小学五年生の健二は、まだその輝く瞳に疑いの光を宿している。
その様子を横目で見ていた万桜は、感心したように口を開いた。
「まるで姉ちゃんじゃん。ボッチが、俺とサブリナに世話焼くのは、こうしたことからきてたのか」
純粋な感嘆の言葉に、舞桜は心臓が凍りつくような感覚を覚えた。彼女の苦悩の根源を、万桜は無邪気に言語化したのだ。
「ぐあッ!」
舞桜は、反射的に風のビームを万桜に照射した。万桜は、なにが起きたのか理解できず、その場で悶絶する。
「焼かせるな! 丸投げすんな!」
舞桜は、怒りのビームを連打した。彼女の絶叫が、茅野家の庭に響き渡った。
「さあ、みなさん。お茶にしましょう」
ゆったりと優しげな声が響く。声の主は、淳二の妻である鞠亜だ。庭の喧騒とはかけ離れた、穏やかな雰囲気がその場を包み込む。
「お母さん…」
舞桜は、疲労に満ちた顔に安堵の笑みを浮かべ、そう言った。彼女の口から出たのは、義姉さんではなく、確かに『母』という言葉だった。その呼び方に、万桜と勇希は思わず顔を見合わせた。しかし、すぐに「まあ、いいか」とあっさり流した。二人は、鞠亜が舞桜にとって、どれだけ心を許せる存在であるかを、直感的に理解したのだ。
淳二は、スマホで撮影した動画を鞠亜に見せながら、得意げな表情を浮かべた。
「どや鞠亜? ええ出来やろ? 悟空やんか?」
淳二のドヤ顔に、鞠亜は呆れたように苦笑する。
「もう。舞桜、いやなら断っていいのよ? 無理して、こんなことしなくていいんだからね」
鞠亜はそう言って、舞桜を気遣った。その言葉の優しさに、舞桜は心を温かくした。
「大丈夫よ、お母さん…」
舞桜は微笑みながら答えると、
「楽しんでるわ。みんなでこういうことするの、久しぶりだから」
そう言って、心から楽しんでいることを伝えた。
その言葉を聞いた万桜と勇希は、再びニヤリと笑う。
「「オッス! オラ、ぐあ!」」
冷やかす二人の言葉は、すぐに悲鳴に変わった。舞桜は、今度こそ本気の風のビームで、二人を黙らせたのだ。その場に、冷やかしを後悔する男女の悲鳴がこだました。
「こら舞桜! お友だちに乱暴しちゃ駄目でしょ。ごめんなさいね…誰に似たんだか乱暴な娘で…」
のんびりした声音で鞠亜が頭を下げると、淳二は呆れたようにぽそりと呟いた。
「おまえやな…俺、暴力振るわんもん」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、目にも見えない速度で鞠亜の裏拳が淳二の唇に飛んだ。ゴツンと鈍い音が響き、淳二は口元を押さえて蹲る。
その様子を横目に見ていた万桜は、涼しい顔で着々と既成事実を積み上げた。
「そう言えば、俺も初対面でビンタされて、プロポーズされたー。昨日はチューされたー」
万桜の言葉に、淳二は痛みで歪んだ顔を向ける。
「なにすんねん…てか、黒木くんホンマかチューって?」
鞠亜は、何事もなかったかのように微笑んだ。
「なにすんねんってキスでしょ? 親愛の印ね」
舞桜は、真っ赤な顔で万桜の言葉を否定した。
「プロポーズなんてしてません! それに手に唇が触れただけでしょ!」
その瞬間、舞桜の否定に呼応するかのように、勇希の裏拳が万桜の唇を強めに打った。
「な、なにしやがんだよ勇希!」
万桜は、突然の裏拳に怒りの声を上げた。勇希は、般若のような笑みを向け、万桜の目を見つめる。
「親愛のキスだ。嬉しいか万桜?」
勇希は、万桜の言葉をそっくりそのまま返した。万桜は、困惑した表情で唇を押さえる。
「裏拳って言うん…」
万桜が言いかけた言葉を遮るように、勇希はさらに笑みを深めた。
「嬉しいよな万桜?」
その声には、有無を言わさない強い圧がこもっていた。
「は、はい…ら、乱暴するのは、よしてお願いですから…」
万桜は、勇希の笑顔に封殺され、懇願するように答えた。その場に、舞桜と鞠亜の呆れたようなため息が重なり合った。
★ ◆ ★ ◆ ★
不意に、舞桜の心が過去に流れた。それは、温かく、しかし少しだけ痛みを伴う、大切な記憶だった。
2009年1月。茅野淳二邸にて。
兄の淳二に引き取られてから、しばらくの間、舞桜は静かに、そして、邪魔にならないよう、邪魔をしないように生きていた。
『おまえは要らない子。邪魔にならないように過ごしなさい』
そう言われ続けて、生きてきたからだ。舞桜の母親は、我が儘いっぱいの箱入り娘であり、出戻りでもあった。出戻りの理由が、実父である茅野二郎との浮気。いや、それは、資産狙いの後妻業のような、パパ活だったのだ。
それが発覚し、嫁いだ家から追い出された。当然、舞桜に祖父も伯父も辛く当たった。この醜聞は、良家にとって足枷に他ならない。
兄の淳二と、その妻の鞠亜が、舞桜が初めて触れた優しさだった。だから、彼らの家庭生活を邪魔したくなかった。子供心に、深く遠慮していたのだ。
淳二と鞠亜は、心を閉ざす舞桜に気を揉んだ。そこで淳二が考えたのが、ある作戦だった。
「どや? 似合うとるやろ? シャアや!」
淳二は、真っ赤な紳士服を着て、ドヤ顔を決め、赤い彗星のポーズを取った。鞠亜は、それを微笑ましく見つめながら、舞桜に優しく語りかけた。
「ほら、淳二がシャアなら、舞桜はアルテイシア。やだ、可愛い! さすが、あたしの娘!」
舞桜の心を溶かすために、家族でのコスプレ撮影を提案したのだ。最初は突然、家族に加わった舞桜を警戒していた友梨や健二も、徐々に心を開いていく。淳二たちの作戦勝ちだった。淳二が赤い紳士服を仕立てるようになったのも、この頃からだ。
そんなある日。いつものように近所の土手でコスプレ撮影を楽しんでいると、不意に、舞桜の祖父と伯父、そしてその家族たちと出くわした。彼らは、コスプレ撮影を通じて、茅野家との結びつきを深めようとする魂胆が透けて見えた。コスプレの品質が低い、などと揚げ足を取りながら、彼らは舞桜に心ない言葉を投げかけた。
「邪魔にならないように生きているか? おまえは要らな…」
舞桜の伯父が、言葉を最後まで紡ぐことはなかった。
「あたしの娘に、汚えデマ吹き込んでんじゃねえよッ!」
鞠亜の拳が、物理的に舞桜の伯父の言葉を遮ったのだ。おなじくに、真っ赤な紳士服を着た社長は、まるで三倍の速度で、行動を起こす。
「誰ぞあるッ!」
淳二が声を張り上げると、どこからともなく部下たちが現れた。
「ぶちかましたれやッ! 買収ッ! 解体ッ! 叩き売りやッ!」
淳二は、圧倒的な経済力で、瞬時に舞桜に迫った悪意を粉砕した。部下たちは、声を揃えて社長の指示に従う。
「「「ハッ! 大佐殿ッ!」」」
その場に、悪意を持った者たちの悲鳴が響き渡った。
「って、誰がシャアやねんッ!」
淳二は、渾身のノリ突っ込みを炸裂させた。舞桜は、ただただ、その圧倒的な優しさと強さに、目を潤ませていた。
★ ◆ ★ ◆ ★
2018年11月下旬。茅野淳二邸。
庭に設置されたバーベキューコンロから、香ばしい匂いが漂ってくる。
「それにしても、これ凄いな? 黒木くん、君っていわゆる天才ちゃうん?」
淳二は、万桜の発明である風力冷波ビーム製造装置を指してそう言った。
「あん? 天才? 天才ってもっと凄いヤツじゃねえの? エジソンとか、ノイマンとかよ? 俺のは、ただの思いつきじゃん? なに言ってんだよ? ボッチの兄ちゃん?」
万桜は、心底不思議そうに首を傾げた。彼の言葉には、謙遜の欠片もなく、ただただ純粋な疑問がこもっている。
「いや、エジソン…」
淳二が反論しようとしたその時、舞桜がすかさず口を挟んだ。
「兄さん、このお肉、いい感じよ?」
舞桜は、焼き網の上でジュウジュウと音を立てる肉を指し、淳二の注意を逸らそうとする。
「赤い社長、このピーマンと茄子。これがいい感じだ。ほら、タレはこれが合うと思うぞ?」
勇希も、舞桜の意図を察して、慌てて話題を濁した。
勇希は、小声で淳二に囁いた。
「ノーヒットノーランの法則だ。意識させたらダメなんだ赤いお面」
その言葉を、舞桜がすかさず補足する。
「ただでさえ、走り出したら止まらない土曜の夜の天使なのよ? これ以上、調子づかせないで! 兄さん!」
もちろん、その言葉は万桜の耳にも届いていた。
「え? なに? おまえらん中で、俺メンドクセー40代扱い? ちょっとぉ~、19の夜だからね? 盗んだバイクで走り出しちゃうお年頃だからね?」
万桜は、口を尖らせて反論した。
「発言は40代やね。黒木くん…あと舞桜も、これは鞠亜の影響やね…」
淳二が、万桜の言葉にツッコミを入れる。
「いや、ウチの近所、レンタル屋ねえからさあ、父ちゃんたちのコレクションで済ませてんだよね~」
万桜は、自分の音楽の趣味が、父親の影響を受けていることをあっけらかんと口にした。
その場にいた全員が、一瞬、思考を停止した。万桜の口から出た「盗んだバイク」という言葉の、あまりにも時代錯誤な響きに、誰もが絶句したのだ。
最初に口を開いたのは、舞桜だった。
「黒木…あんた、それは…」
言葉に詰まる舞桜に代わり、勇希が深いため息をついた。
「万桜、それは、もう30年以上前の歌だぞ。なぜ、そんなに詳しいんだ?」
勇希の言葉に、万桜は得意げに胸を張った。
「だってさ、父ちゃんのコレクションに、いっぱい入ってんだもん。尾崎豊とか、チェッカーズとか、ブルーハーツとか、超カッコいいぜ?」
万桜の言葉に、淳二はしみじみと頷いた。
「せやろ? その辺りが、一番ええ時代やねん。青春って感じや」
淳二と万桜の間には、音楽の趣味という、意外な共通点が生まれたのだった。
舞桜と勇希は、顔を見合わせた。自分たちの知る「天才」は、驚くほどアナログな感性の持ち主だったのだ。
「なんか、もう…色々諦めたわ」
舞桜がそう呟くと、勇希も力なく頷いた。
「あたしも…」
その日、茅野家の庭には、懐かしいロックンロールと、天才たちの、どこか抜けた笑い声が響き渡っていた。
舞桜から送られてきた装置の威力を、淳二は改めて実感していた。冬場であるにもかかわらず、庭の空気は快適で、まるで夏の高原のようだ。バーベキューをしているにもかかわらず、煙や油の匂いはまったくなく、清涼なアロマの香りが一帯を包み込んでいる。
「これ、ホンマにええなぁ、舞桜。このアイデアやったら、ご近所に迷惑かからんやん?」
淳二が感心して言うと、舞桜は誇らしげに胸を張った。
「ええ。サブリナと一緒に知恵を絞ったわ」
そして、舞桜はBBQ対策の技術について、淳二に説明し始めた。
「BBQエンハンスメントシステム」
このシステムは、単なる消臭や煙対策ではない。空気力学制御システムを応用した、バーベキューを快適に楽しむための総合的なソリューションだ。
システムの中核をなすのは、四隅に配置されたアロマスチームミスト装置だ。
「まず、アロマ成分を含んだスチームを、四方から発生させます。煙は暖かいので上に上がりますが、このスチームは暖かい空気の流れを調整し、煙のにおいを空気中に拡散させることなく、上空へと運びます」
舞桜は、まるで教授のように、理路整然と説明した。ゴールデンロッドの爽やかな香りは、煙の不快な臭いを打ち消し、空間全体を清涼なものにしている。
「そして、四隅の装置についてるファンで、空気の流れをコントロールします。バーベキューコンロから出る煙を、特定の方向へと誘導し、ご近所の家に行かないようにするんです」
ファンを回して、煙を「消す」のではなく、「誘導する」ために使われている。
舞桜から送られてきた装置の威力を、淳二は改めて実感していた。冬場であるにもかかわらず、庭の空気は快適で、まるで夏の高原のようだ。バーベキューをしているのに、煙や油の匂いはまったくなく、清涼なアロマの香りが一帯を包み込んでいる。
「舞桜、この昇華膨張圧消火システム、ウチで使ってもええか? あと、夏場のバーベキューと冬場のバーベキューシステムもや」
淳二はそう尋ねると、舞桜はなんてことないように、
「いいわよ」
あっさりと承諾した。いつもなら、書類仕事の増加に難色を示すが、万桜と莉那が考案した人工知能処理システムがあれば、なんてことはないからだ。
「気前ええやん?」
からかう淳二に、舞桜は不敵な笑みを浮かべた。
「敏腕社長ですから」
BBQエンハンスメントシステム夏版。
このシステムは、夏場のバーベキューをより快適にするための、総合的なソリューションだ。
システムの中核をなすのは、夏場の暑さを和らげるための冷却と、虫を寄せ付けないための機能なのである。
まず、ドライアイスの昇華を利用した冷却ミストを、頭上からシャワーのように降らせる。このミストは、体感温度を5℃以上下げることができ、真夏の暑さの中でも快適に過ごせる。
次に、このミストにハーブのアロマ成分を混ぜることで、防虫効果を持たせている。蚊やブヨといった、夏場の厄介な虫を寄せ付けず、安心してバーベキューを楽しめるようになる。
そして、冬場用と同じように、四隅のファンで空気の流れをコントロールし、煙をご近所の家に行かないようにしている。
「舞桜、言質は取ったで?」
淳二は、意味深な笑みを浮かべてそう言った。その声には、底知れぬ企みが隠されている。
★ ◆ ★ ◆ ★
2018年12月上旬。甲斐の国大学、元休憩室。
茅野建設のテレビCMが、今、世間の話題を独占していた。画面には、国民的西遊記ベースのアクションアニメの必殺技を彷彿とさせる映像が流れている。
「かぁ~めぇ~」
声と、導入部分の背中だけは、舞桜だ。しかし、必殺技を放つ場面では、舞桜を連想させる、快活なアイドルの少女が映し出されている。彼女は、昇華と風力で炎を消す、家庭用消火システムのデモンストレーションを見せつけていた。
「はぁめぇ~波ぁ~ッ!」
その声が、休憩室に響き渡った。
「な、なによ…こ、これ?」
舞桜は、泣きそうな声で絶叫し、手に持つスマホを見つめた。
「兄さん? き、聞いてないわよッ? どこがどうなってこうなったのよッ!」
スマホ越しに舞桜は、淳二に問い質した。電話の向こうで、淳二はおかしそうに笑っている。
『言質は取ったでって言うたやろ? これも勉強やな~』
淳二はそう言って、一方的に通話を切断した。
休憩室にいる、万桜、勇希、莉那、琴葉は、一斉に舞桜に向き直った。
「「「「オッス! オラ、ご…ぐあッ!」」」」
ユニゾンでからかう言葉は、最後まで紡がれることはなかった。舞桜は、感情を込めた風のビームを、全員に連打した。その場に、悲鳴と怒号が入り混じり、まるで戦場のようだった。
『鋼鉄のポジティブ ~未来の世界のネコ型ロボットを迎えに行こう~』をお読みの地球の皆様へ!
いつも拙作『鋼鉄のポジティブ ~未来の世界のネコ型ロボットを迎えに行こう~』をお読みいただき、本当にありがとうございます!
物語の中で、「魔王」こと黒木万桜は、時には「水嚢の川」で災害に立ち向かい、時には中古スマホを活用したクローズドネットワークなんて突拍子もないアイデアまで生み出しています。
実は、この物語には、万桜のそんな「もしかしたら、これって本当に役立つかも?」と思えるような、たくさんのアイデアが散りばめられているんです。読者の皆さんも、「これ、面白い!」「こんな風に使えるんじゃないか?」なんて、閃いたことはありませんか?
地球のみんなぁ~! オラに「★」をわけてくれーっ!
もし、この物語を読んで、少しでも「面白い!」「次の展開が楽しみ!」「万桜のアイデア、イケるかも!」と感じていただけたなら、どうかページ下部の【★★★★★】ボタンをポチッ!と押して、星評価を分けていただけないでしょうか!
皆さんのその「★」一つ一つが、作者の大きな励みになり、万桜の次の「魔王案件」へと繋がるエネルギーになります!
引き続き、『鋼鉄のポジティブ ~未来の世界のネコ型ロボットを迎えに行こう~』をどうぞよろしくお願いいたします!




