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乙女ゲームだコレェ!!  作者:
第二章
46/53

46.Dクラス


 Cクラスの事情は割愛しよう。私が担当した生徒は筋肉モリモリマッチョマンの変態………脳筋であり、魔法なんて使わなくても筋肉で解決すれば全て筋肉という脳筋の典型みたいな者だった。尚、その生徒の家は代々騎士団幹部を輩出する貴族であり、漏れ無く脳筋という家だ。故にその教育方針も脳筋に寄っており、魔法なんて物は邪道。真っすぐ行って殴れば全て解決するなんて真顔で言うような頭お花畑………いや、筋肉の生徒だった。

 キミは知らないようだけど、騎士団の人達は身体強化魔法とか普通に使うからね? その中で魔法使わないとか、余程身体を鍛えてないとついて行けないよ? 普通に考えて、生身と魔法で強化された身体なんて比べるまでもないからね?

 尚、その脳筋生徒は身体強化を掛けた私と力比べをする事で分からせた。流石に、脳筋生徒の全身を使ったぶちかましを、人差し指1本で受け止めたのが効いたようだ。

 あの調子で身体強化魔法を覚えれば、良い騎士になるだろう。その時は、私は負けてしまうかもしれないな。


 という訳で、Dクラスだ。担当講師はファビーノ教諭であり、一番優秀な教諭が問題児を担当としているようだ。寧ろ、このレベルの人間でないと、件の生徒を御せないという事なのか。

 カストル情報によると、Dクラスの生徒は結構中々難題な生徒らしい。言っても聞かないというか何と言うか、何でそんなに自信満々なの?と何度もオブラートに包んで聞いたそうだが、態度を改める事は無かった様子だ。所属生徒はそれしか居ないので、私と講師の2人掛かりで一般常識を刷り込む所から始まる。


「え! 王子様じゃないですか! もしかして、特別講師ってそういう事!?」


 まぁ、予想していた事ではあるが、Dクラスの生徒は例の桃色髪のニコラ・エラ・ミラースだった。

 この発言からしてアレである。この間アンティローゼ嬢が直接苦言を呈した筈だが、覚えていないのだろうか。

 他のクラスで“ミラース”姓の者を見てきたからか、この者からは一際残念な臭いがする。

 これはミラーの者が駄目なのではなく、個人の問題のようだ。当の侯爵にも送る人間は選ぶように苦情を入れておいた方が良いだろうな。


「エンドロフィア君は、私の助手役です。さて、貴女に学んで頂くのは魔力制御以前の問題です。魔法という力を行使するために魔力制御を“しなければならない”というのはどうしてか理解出来ていますか? これを理解しているのならば、あのような行為は出来ないと思いますが」


 講師からの長い説教が始まった。エラ•ミラース嬢はチラチラと私を見てくるが、尽くを無視だ。講師の言う事は正しいし、そもそも私はただの手伝いなので、介入する気はない。ほら、講師の話をちゃんと聞いておかないと不味いぞ。


「この学院では、この国の貴族として恥ずかしくない教養を身に着ける事と共に、魔力暴走による災害を起こさないように制御を学ぶ場です。まぁ、貴女は平民ですが、ミラー侯爵からの推薦を受けた以上、教養を身に着ける必要がある事は同じです。それと同じく、あのような魔力を馬鹿みたいに使うだけの魔法を使う貴女の意識改革をする必要があるのです。私言いましたよね? あの場は“制御”を見る場であると。魔力制御に自信が無いのならば、相応の魔力量を使って然るべきです。貴女はミラー侯爵の推薦が有ったとはいえ、平民ですし、これまで禄に魔力制御の場が無かった事も分かっています。しかし、あの時の貴女が行った事は、一歩間違えば甚大な被害を齎していた事を理解しなければなりません。もし、あの魔力が暴走していたら、あの場に居た者は全員死んでいました。その事は理解していますか?」


 確かに、彼女が使った魔力量は膨大だったが、あの場に居た講師は誰もそれを止めなかったよね。


ぼっちクラスとぼっちクラスの邂逅

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