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乙女ゲームだコレェ!!  作者:
第二章
42/53

42.Sクラス


 身内の面々は終わったので、他の生徒の事を見ていこう。

 やはり、高位貴族家出身の者は魔力操作が上手い傾向があるようだ。一方で、平民出身の者はそうではない者が多い。彼等の多くは豪商の子供なのだが、魔力操作という面では生まれつき魔力が高く幼い頃から訓練を続けている貴族の生徒よりも遅れを取っているようだ。

 但し、その中でも例外は居る。

 平民で一番の操作精度を持つ者は、高位貴族家にも匹敵する程だ。程度としては、エリスティン並といった所か。

 しかし、操作精度が高い反面、魔力量は多くはないようで、途中で息切れを起こしていた。

 それとは逆で操作精度はイマイチだが、魔力量が一際多い者も居た。魔力量だけならば、驚く事にアンティローゼ嬢並にあるようだが、操作精度が足を引っ張り魔法行使には無駄が非常に多かった。


 この学院内での魔法授業は基本的に魔力操作がメインとなる。あとは、魔法を使う上での道徳面等の情操教育か。

 この世界の日常には魔法による物が溢れているが、その原動力となる魔力というエネルギーは扱い方によっては非常に危険な物にもなる。そのため、学生の内に魔力の正しい使い方を学ぶのが重要という事だ。平民であってもこの学院に来るような者には魔力量が高い人が多い故だ。

 それに、この世界での魔法行使というものは、使用者のイメージで如何様にも変えられる。そのため、前世のゲームで有ったような、如何にもな呪文を詠唱をして魔法を使うなんて事はそんなに無いようだ。ただ、イメージのしやすさで”呪文“を使う人も一定数居るみたいだが。

 そのため、魔法行使の方法を学ぶ事は無い。いや、座学程度には有るが実技は無いといったところか。

 私? 私の魔法行使は全てイメージだ。前世の事もあるし、空想的なイメージは得意であると自負している。イメージで全てを完結させる場合は、使用する魔力量が多くなる傾向があるらしいが、私には関係が無い。伊達に異常な魔力保有者であると恐れられている訳ではないのだ。

 今回の実技での評価でのクラス分けは、後日発表されるようだ。側近見習いや知っている顔ぶれと同じクラスになれれば良いが、どういった評価基準で分けられるのかよく分からないから、今の時点ではどうとも言えないな。


 後日、配属クラスで魔力操作の授業のクラス分けが紙面で告知された。

 クラスは、A,B,C,Dの4つのクラスで分けられ、私はSクラスと明記されていた。Sクラスは教える事が無い(規格外)クラスであり、三学年全てを含めた生徒中、私一人だけがこれに該当するようだ。………つまり、ぼっちクラス?

 授業自体は他クラスと合同であり、教員と共に他生徒の面倒(実技)を見てくれとも書かれていた。教師の補助役か………。


「ユーキスタス様は、Sクラス(規格外)ですか。担当教員からAクラスが最高位だと教わりましたが、まだ上が有ったんですね」


 のほほんと言うのは、ドナテロだ。側近見習いの大半はAクラスに配属されたが、エリスティンだけはBクラスとなった。エリスティンもそこそこの操作精度であったが、他の皆と同じクラスにはならなかったらしい。………まぁ、私は全員と別れたぼっちクラスなのだが。

 双子の片割れのエリオットはAクラスなのは、お互いの性格の違いとでもいうか。

 どちらも努力型ではあるが、エリスティンの方は若干適当なのだ。何事もきっちり熟そうとするエリオットとの些細な違いだ。

 まぁ、ただの授業のクラス分け程度の事だし、エリスティンの実力が足りないという訳でもないし、そもそもな話でわざと手を抜いている節があるので、私がどうこう言う事でもない。………何故手を抜いているかって? 家の跡目を継ぎたくないとかじゃないか?


 クラス分けは今日公表されたが、当の魔力操作の授業は明日であるようだ。Sクラス(ぼっち)の私はAクラスとの合同であるらしい。

 Aクラスに配属された者は、私程ではないにしても魔力操作自体はかなり出来る部類だ。果たして、私のお手伝いなんて要るのだろうか。


SクラスのSは、Solo(お一人様)のS

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