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乙女ゲームだコレェ!!  作者:
第二章
40/53

40.よくあるイベント

 

 今日は新1年生合同出行う授業である、“魔力操作制御”の授業だ。大体の授業はクラスごとに行うが、魔法や魔力関連の授業は各生徒の実力に応じて新たに分けられるらしい。

 これは、学院に入る前には魔力というものに馴染みがなかった平民や、魔力操作が得意ではない貴族のためのものだろう。

 それに、魔力というエネルギーは扱いを間違えれば大惨事を引き起こしかねない。故に、実力が同程度の者達でクラス分けをした方が、指導する者にとって効率が良いのだろう。

 という訳で、今回の合同授業は、そのクラス分けのための実力を測るという意図で行われているようだ。

 ここで行う事はとても簡単。それぞれ自分が最も得意かつ制御出来る最高の魔法を、指導教諭の前で使うという事のみだ。

 これは全生徒を集め、主人公(ヒロイン)または攻略対象者(私みたいなの)の実力を分かりやすく示すためのお誂えなイベントだな。実に“乙女ゲーム”っぽい。

 しかし、この場は魔力の使用量や操作精度を見るための場だ。決して遊びではないし、自身の実力を誇示するような場でもない。

 だが、指導教諭から指示された意図を履き違え、無意味に強力な魔法を使うような馬鹿は少なからず出てくるだろう。流石に高位貴族子弟には居ないと思いたいが………。まぁ、皆お年頃(お子様)だからはしゃぐんだろうな………。


「さて、ここは私達の魔力操作の技術を、ファビーノ教諭を始めとした専門家(スペシャリスト)が測るための場所だ。彼女が言った『今使える最高の魔法』は、『魔力使用量がそこそこで、且つ操作が得意な魔法』だ。身の程を越えたような、もしくは殺傷性が高いような魔法は極力使わないように。逆に誰でも使えるような低レベルな魔法も使ってはならない。理由は分かるね?」


 分かっているとは思うが、側近見習い達に声を掛けておく。実際は、その周囲に居る生徒達に聞かせている訳だが。

 勘違いを正しておかないと、馬鹿が馬鹿する可能性しかないからね。

 尚、この話をしている間にも測定会は始められており、時折爆音や熱風が飛んでくる。


「つまり、ああいうのをするなって事か?」


「そうだね。………まぁ、彼等は攻撃魔法が一番得意だったんだろう」


 エリスティンの言葉に頷いておく。まぁ、地方出身とかの生徒ならば、攻撃魔法が得意な者の方が多いのかもしれない。地域によっては、通常の獣よりも遥かに危険な魔獣とかが普通に出るらしいし。

 別に私は攻撃魔法を使うなと言っている訳ではない。それが最も得意な魔法ならば、攻撃魔法を使うべきであろう。但し、唯の見栄のためだけに、使えもしない魔法を使うんじゃないよという事だけだ。


 そうこうしている内に、側近見習い達の順番が回ってくる。

 側近見習い達は、私の忠告をしっかりと受け止めたようで、無難な魔法を使っているのが見て取れた。具体的には省くが、魔力使用量が多いのはエリスティンで、操作精度が高いのはドナテロのようだな。

 側近見習い達の魔法を眺めていると、私の順番が回ってくる。さて、私は何の魔法を使うべきか。

 色々考えた末、学院に入る前に練習していた魔法を披露する事にした。魔力操作の応用として自身で創作した物であるが、指導してくれている叔父は変な顔をしていた。


「では、ユーキスタス様。貴方が一番得意な魔法を私に見せて下さいませ」


 私の担当測定官はファビーノ教諭だ。彼女は祖父と同年代らしいが、未だに現役で学院で教鞭を取っている。

 大ベテランである彼女ならば、何を見せたとしても問題ないだろう。

 私がこれから使う魔法は、魔力の緻密な操作精度が求められるが使いどころが殆ど無いという魔法なので、魔力操作の練習以外には役に立たないという評価を、魔力制御の講師である叔父から貰った曰く付きの魔法だ。私自身が言うのも何だが、恐らく私しか使えないと思う。



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