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乙女ゲームだコレェ!!  作者:
第二章
28/53

28.クラス分け


 新入生挨拶は恙無く進行し、無事に終える事が出来た。私の拙い演説も、皆静かに聞いていてくれた。

 前世感覚だと、こうした大きいホールでの演説は、野次を飛ばすような輩が少なからず居たような気がするが、流石は貴族という事だ。どうやら、王子である私の話を遮るような命知らずは今のところ居ないようだな。


 入学式が終われば、次はクラス分けだ。これも、学院の職員が慎重に吟味、適切に判断し、3クラスに割り振っている………筈だ。クラス分けは成績順という訳ではない。とてつもなく優秀な者が集められたクラスも、劣等生が集められたクラスも存在しない。どのクラスも平均的に、同じような成績になるようにしているようだ。

 そんな訳で、首席である私と次席であるエリオットは別のクラスなのである。代わりと言っては何だが、エリスティンと同じクラスだった。彼も勉強が出来ない訳ではないのだが、どちらかと言うと座学ではなく運動系の方が得意らしい。

 その他には、エリオットとカストル、ドナテロとレイレアムスが同じクラスのようだ。

 しかし、随分綺麗に分かれたな。これも職員達の調整の結果か。王子の側近達を同じクラスに集めるのは、クラス分け的にも拙いのだろう。

 婚約者であるアンティローゼ嬢とも別クラスだった。これは正直残念なところだ。婚約者である彼女とクラスが一緒ならば、恐らく同じクラスに居るであろう主人公(ヒロイン)に対して牽制を入れられたのに。

 1クラスは約20人程。3クラスあるので、新入生は大体60人程度となる。

 側近見習い達と別れ、各々の教室に入り指定された席へと座る。

 この席の並びは、前世的に言うと“あいうえお順”だ。勿論、この世界で使われているのは日本語ではない。そのため、エンドロフィア()エスピナー(エリスティン)は近い席ではなく、少し離れた位置になる。まぁ、席順程度ではガタガタ言わない。


 暫く大人しく席にて待っていると、教師らしき者がバタバタと慌ただしく入って来た。

 歳の頃は20代らしき男性。大きく分厚い眼鏡を掛けているため、素顔はよく分からない。………私、知ってる。あの教師が掛けている眼鏡を取ると、相当なイケメン面が出てくるのだ。つまり、あの教師も攻略対象なのか?


「いやぁ、遅れてすまない。僕が、この1−A組の担任を勤めるネイサン・シギンズだ。担当教科は算術になる。あー、今嫌な顔したのが何人か居るね。でも、大丈夫。1年生の間はそんなに難しい事はやらないよ。………じゃあ、今後1年間宜しく。それと、えー、恐らく皆はお互いに知っている顔が多いかもしれないけど、知らない人も中には居るだろう。とりあえず、僕がさっきしたような自己紹介をそれぞれでしていってみようか」


 自己紹介か。これは、前世の世界には無かったな。いや、私の経験が無いだけで、このような事をする学校はそれなりに有ったのかもしれない。

 だが、これはチャンスだ。主人公(ヒロイン)が誰かを判断するきっかけになるだろう。

 自己紹介は名前順で決められ、1人ずつ前に出て壇上で行うらしい。

 ………ふむ。何を言うか。流石に入学式で演った挨拶は使えないだろう。あれは全生徒及び教師陣に向けた言葉。同じクラスの者に対する言葉とは違う。もっとカジュアルに、親しみやすい王子を演出する必要がある。

 話す内容を考えていると、エリスティンの番が回ってきた。


「エリスティン・フォン・エスピナーだ。1−Bに同じ苗字のエリオットって奴が居るが、そいつと俺は双子だ。色々服装とか変えているから、エリオットと間違わないようにしてくれよな」


 エリスティンは言いたい事だけ言うと、席にどかりと座る。確かに別クラスのエリオットとは双子という関係だが、言う事はそれだけで良いのだろうか。それと、制服を改造するのは服装規定違反だ。


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