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乙女ゲームだコレェ!!  作者:
第一章
24/53

24.平等(建前)


 全員揃ったところで、来る学院生活についての話をする。

 学院内では、身分の上下は関係ないものとされている。例え、私が王族であろうとも、学院に入学すれば学院内に居る限り、私はただの一生徒なのだ。ただの一生徒である故に、王子という身分は絡まないという事になる。………まぁ、これは建前だが。

 この建前は、大雑把に言うと学院の教師のためにある。何故ならば、学院教師の爵位は高くて子爵位だ。そんな中で、伯爵以上の爵位の子が入学してきたらどうなるか? 学院内で親の爵位を傘に着て、好き勝手をし始める問題児が大量発生するだろう。

 そのため、学院内では身分は無関係という事にしなければならない。

 まぁ、実際のところは、高位貴族が下位貴族や平民のために気を使ってね。という事なのだろうが。

 その事が気に食わない貴族達も多く居たが、王家を筆頭とした高位貴族家に全員潰された。そのため、学院内での生徒は、ほぼ平等というのが不文律だ。“ほぼ”という文字が付くのは、推して知るべしといったところだ。

 そんな学院内で、私が王族というだけで教師から忖度を受ける事は………あるかもしれないが、そういった場合は毅然とした態度で突っぱねなければならない。それは側近見習い達も同様だ。

 具体的なところは、ジュリエッタ嬢が行う説明を受けながら、想定し得る問題点について側近見習い達に注意喚起をする。

 親の爵位を振りかざさない事、生徒や教師を尊重する事、決められたルールは基本的には守るようにする事、等々だ。

 つまらない事で王子()の顔に泥を塗るような行為は極力するな、という事だ。

 私の説明に、大体の側近見習い達は重々しい雰囲気で頷いている。

 カストルとエリエリ達はいつも通りの様子だ。どちらも楽観的な性格をしているので、多分大丈夫だと思っているのだろう。まぁ、彼等は適当な奴だと見られがちだが、私に対する忠誠心は高いので心配する事も無いだろう。………多分。

 尚、この中でガチで一番ヤバいのはカストルだ。前世的に言うと強火勢である。普段適当な様で居て、王子()に関する事だけはガチだ。有事の際には、コイツだけは手綱を握っておかなければならない気がする。初対面の時では私を侮っていたと思うんだが、どうしてこうなってしまったのか。

 前王(祖父)に聞いたが、ラール家は代々変人が多いので、余り気にしてはいけないらしい。彼等を無碍に扱わければ何をされる事もないので、下手に虎の尾を踏みに行く事も無いという事か。


 側近見習い達への話が一段落したところで、アンティローゼ嬢への話だ。………と言っても、大した話は無い。彼女は理知的な高位貴族である。良い意味で自身の立ち位置を理解しているから、余り出しゃばるような真似もしないだろう。

 問題は、この世界が“乙女ゲーム”らしいという疑いがある事だ。“乙女ゲーム”の攻略対象に王子は付き物。つまり、私が対象となる訳で。

 “乙女ゲーム”の主人公(ヒロイン)が私を攻略しようとした場合、アンティローゼ嬢は主人公(ヒロイン)にとって邪魔者(ライバル)になるだろう。

 王子を巡って対立する高位貴族令嬢と平民。

 学院内は平等であるという建前を振り翳す平民と、人の婚約者に粉を掛けるな弁えろと言う高位貴族令嬢。

 そして、高位貴族令嬢による虐め問題に発展し、卒業パーティで断罪されるアンティローゼ。

 今からでもそんな様子が目に浮かぶ。勿論、そんな事にはさせないが。

 悲嘆主義的かと思われるかもしれないが、これはあり得る未来である。

 何しろ、学院内の生徒は平等という事になっている。王子も平民と同じ身分という事だ。それを額面通りに受けとめ、勘違いする馬鹿は必ず出てくるものだ。

 対象が私に限らずだが、婚約者が居るにも関わらず婚約相手を排除して自身がその枠に収まろう、という不届き者は確実に出てくる筈だ。

 そんな相手にはどうすればいいか。一番大事な事は手を出さず、出させない事だ。暴力ダメ絶対。


NTRはころす

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