第43話 俺がこれからやること
これからも仲良くすることを誓った俺とシャル。次に俺たちがやらなくてはならないことを話し合う。
闘技場で俺が気絶してる間に、シャルとリュードは今後どう行動するかをいろいろと話したらしい。
俺たちがやるべきことは、戦闘国家フィーネの王様、サイナス・フィーネ・ランドルグに会いに行くことである。
その理由は2つ。
1つは魔族領と人族領の境界線を抜けて、魔族領に俺たちが侵入するためである。
今その境界線付近では、魔王軍とフィーネ軍が激しい攻防を繰り広げているという。
人族を攻めたい魔王軍をフィーネ軍が抑えている形らしい。
今人族が魔王軍の攻めを凌げているのはフィーネの頑張りがかなり大きいのだ。
そんな激戦地の中を、俺たちが魔族領に入るためには通らなくてはならないのだ
それにはフィーネの協力が絶対に必要。
リュードが手紙を書いてくれたらしく、それをサイナスに見せれば、魔族領侵入の助けになるというのだ。
そして2つ目は、俺が『気力』の習得をするためだという。
リュードが使っていた回転丸もどきはアーツではなく、気力を集中させたものなのだ。
スキルやアーツしかない世界かと思っていた俺には、リュードが回転丸もどきを出したことは驚愕だった。
だがリュード曰く、ウレールにも気力というものは存在していて、リュードは昔フィーネで修行した際に、気力を獲得したと言うのだ。
もしかすると、俺もフィーネで修行すれば気力が身につくかも知らないということで、気力を使いこなすと言われるサイナスに聞くのが良いということらしいのだ。
「気力ってウレールにもあるんだな」
「らしいな。俺も攻撃手段ってアーツぐらいしか無いと思ってた。まぁ、俺って普段冒険者とか軍人じゃ無いからそういう戦いの技とか知らなくてしょうがないよな。あっ、今は軍人だった、にしし」
敬語をやめてからのシャルはひょうきんで明るいヤツだな。
でもそっか、気力は一般には知られてないのか。
もし気力を会得できたら、魔王フミヤの対抗策が見つかるかもしれない。
今の俺は酸が出せるだけの人。酸の状態変化に気づいて、攻撃と防御のバリエーションはかなり増えたのだ。
だが今のままでは魔王フミヤに対抗できるとは思えない。
シャルが立てた『とにかく魔王と勇者をぶつけたらなんとかなるかもしれない大作戦』は、魔王に辿り着くまでは周りにサポートしてもらえるが、最終的には俺と魔王フミヤの戦いになるのだ。
気力を会得してどうにかなればいいが、俺はそろそろ勇者の加護に頼ることも考えなくてはならないと思う。
もしかしたら勇者の加護なら魔王フミヤに対抗できる力があるかもしれないし。
幸運値0ってネックはあるが、いつかは勇者の加護にポイントを割り振らなくてはならないだろう。
「とりあえず、フィーネの王様のところに行くか。そういえばヨヨはどこにいるんだ?」
「ヨヨか。なんか用があるとか言って、フィーネについた時からどっか行ってるな」
そっかヨヨはいないんだな。用ってどこ行ったんだ?
まぁ、王様に会いに行くだけなら俺とシャルだけでも大丈夫だろう。
「ヨヨはヨヨ様じゃ無いんだ?」
「ヨヨも敬語いらねーとさ。いいね、お前らって。貴族とか王族とはえらい違いだよ。地位でマウントとってこないとことか。俺はそういうフランクなほうがいい。まぁ、シルビアさんとかには世話になってるから文句ねーけど」
シャルは俺とヨヨをベタ褒めしてくる。
やっぱ貴族とか相手にタメ語とかダメなんだな。
俺が勇者だから許されてたってのもあるのか。でもフィーネからは気をつけておこう。
間違ってもサイナスに喧嘩を売るなんてことはしないでおこう。
「ゴンタたちのことは後で紹介する。とりあえず、フィーネ城に行くか」
「とりあえず行って、できれば気力を習得しときたい」
「おう、頑張れよ。応援してる」
「応援って。シャルもやるでしょ?」
「えぇー」
今回遠征で来たメンバーの紹介は後回しにして、俺とシャルはフィーネ城へ向かうことにした。
はじめましてゴシといいます。
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