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真実と花屋_1日の濃縮度100%

「そんなこと言わずにね?寂しかったでしょ?俺がいない生活」

「むしろ充実していたわ」

「そんな辛辣な、、」


事実である。まったくこの男ときたら帰ってきてすぐこの調子だ。よほど隣国でも羽目を外していたに違いない。これが容姿端麗な若き侯爵様だとはこれに恋する町娘たちが哀れすぎる。

「とりやえず座りなさいよ。聞きたいこともあるし」


「はーい、あといい匂いするね。俺にもちょーだい?」


「まぁ、私もこのラフレシアの果肉1人では食べきれないと思っていたの。無駄になったら困るし、作ってあげる」

キッチンの横を見ると冷凍された花弁が、しかも分厚い。

「え、それラフレシア?匂いもしないし、すごく美味しそうだ」


「でしょ?臭み取りをしたのよ。少し待ってて」


私はテキパキと2人分のラフレシアステーキを焼いている間に、侯爵様もといグリシャ・スチュアードは花々を見ている。

久しぶりの対面で理性より手が動いてしまったが、私は本題を聞くのを忘れていたことに気がついた。

ちょうど気がついたときにはステーキはいい頃合いに焼けており、私は火を止めてお皿に乗せた。

「できたよー」


私はいつものカウンター席ではなく部屋の奥にある私室の大きいテーブルにお皿を置く。


「あとで幾つか花買ってもいいかい?」

何か気に入った花でもあったのだろうか。そんな言葉と共にテーブルへやってくる。


2人共、席に着いた後__

「2人で食事をするのも久しぶりだわ」

「そうだね、誰かの手料理を食べるのも久々だ」

そして私は先ほど思い出した本題を口に出す。


「で、なんで私に何も言わず隣国へ勝手にいったのかしら。しかも旅立った後で手紙を寄越すとは私を怒らせたいの?」


「いや、それには事情があって……」

目が泳いでいる。


「しかも帰ってくるときも手紙をまた寄越さない。もう少し学んでほしいわ」

私は目を細めて睨む。これぐらい問い詰めないと気がすまない。


「と、とりやえず落ち着こーよ!せっかくの兄妹水入らずの食事なんだし!」

「私は落ち着いています。お兄様のほうが落ち着いていないわよ」

「うっ!!」

図星か、これで侯爵様なのね。もう少し威厳を持ったほうが妹にも舐められないと思うのに。


周りには秘密にしているが、私は侯爵家の令嬢である、一応。

兄は侯爵家の直系、私は妾の子で幸い父は優しかったので貴族の学院には通わせてくれた。だから魔法も一通りできるのだ。


「で事情って?」

「あ、あぁ。実は俺が行った隣国がレリナーシャ公国であそこがナーシャ教を国教としていることは知ってる?」

「えぇ、国名に入れるほどだから知ってるわ」


「それで、あそこの宗教が1年前からこの国で不審な動きをしだしてね。我が国の第1王子と国王陛下から密偵をするよう頼まれて、大使という形で急遽連絡もできないまま、隣国に行ったんだ」


「なるほど、だから手紙でも教えてくれなかったのね」

「そうゆうことさ」

「で、お兄様の婚約者様はどうしたのかしら」

「ぐっ!」

あら、ラフレシアステーキを喉に詰まらせたみたい。可哀想なお兄様、お大事に。


「まさか、私みたいに会わず、手紙も書かず状態にしていた訳ではないでしょう?」

そうだったら本当に殴る。


「いやいや、ていうか王命じゃなかったら本当は結婚式を挙げる予定だったんだ!今頃、隣国行っていなかったら幸せの生活が始まっていたはず…」

「結局どうしたの?」

「あぁ、王の許可を貰って婚約者のベティーにだけ話したよ。結婚を1年も待たせてしまって申し訳ない」

さすがにベティーナ様には話したよう。殴る気満々だった私の手は出番なしだ。お兄様の哀愁漂う顔を見ると殴る気も起こらない。


「そうそう、今日王都についた瞬間ベティーの屋敷へ向かって結婚式の予定を立ててきたんだ!!」

先程まで哀しげな顔から一変して喜色に溢れた顔だ。お兄様はよほど嬉しいらしい。チャラいのに一途私の兄ながら珍しいタイプね。


「で結婚式はいつなの?私も参加したいし」

「色々準備があるから少し遅れるけど、1ヶ月後に予定してある。そのために頑張るつもりさ!」


「俺の話ばかりしていてもつまらないからフェリシアの話も聞かせてくれよ」

話、この1年間で今までと変わったことないんですけど。


「うーん、あ。2ヶ月前ぐらいから毎日私の花屋に通っては求婚してくる物好きな神官様がいるぐらいかしら」


「え?」


「私、毎回求婚を挨拶のようにするのは怖いを通り越して逆にすごいと最近思ってきたわ」

思わず、遠くを見てしまった。


「その神官の名前って…」

「あー、たしかキュルス様とかいう名前の__」


「フェリシア、、、キュルス様は神官じゃないよ」

ん?神官ではない…?でもキュルス様が自分のことは神官だって言ってたし。


「…キュルス様は………大神官様だ」


「……え!?」


カシャン!2人の間に沈黙が流れる。重い方の、

そして今度こそ私はカップではないもののフォークを落とした。

真実と動揺がいっきに花屋に来ました笑

そして新たに分かった名前たち!

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