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18話:倉持と一緒に昼飯を食べていく

 その日の昼休み。


「お疲れっすー、冴木」

「ん? あぁ、倉持か。お疲れっす」


 午前中の授業が終わった後、俺は隣に座っている倉持に声をかけられていった。


「良かったら一緒に昼飯食わねぇか?」

「もちろんいいよ。でも今日は昼飯何も買ってきてないから学食でもいいか?」

「あぁ、全然良いぜ。ってか俺も昼飯何も買ってないから一緒に学食に行こうぜ!」

「あぁ、わかった。それじゃあさっさと行こうか」


 という事で俺達は学食へと向かって歩いて行った。そして学食に到着した俺達は料理を頼んで近くの席に座ってご飯を食べ始めていった。


「それにしてもここの学食の料理ってどれも安くて旨いよなー!」

「あぁ、確かに確かに。しかもここの学食はメニューのレパートリーも豊富だからめっちゃありがたいよな」

「いや、マジで本当にそれな! まぁでも結局いつもメニュー選びに悩んでカレーばっかり頼むんだけどさ、あはは」

「あはは、めっちゃわかるわー。ここの学食のカレーはマジで旨いもんな。あ、ちなみに倉持はここの学食で一番好きなメニューとかはあるのか?」

「あぁ、もちろんあるよ! 俺が好きなのはさー……」


 という感じで俺達はそんな雑談をしていきながら昼飯を食っていった。そしてそれからしばらくして……。


「……って、あれ?」

「ん? どうしたよ?」


 そんな感じで倉持と一緒に楽しく昼飯を食っていると、ふと俺の少し先にあるテーブルで飯を食っている川崎を偶然にも発見した。


「いや、あそこに川崎がいるなーって思ってさ。川崎が学食を利用するのって何だか珍しくないか?」


 俺はそう言いながら川崎の方をチラっと見ていった。どうやら川崎は仲の良さそうな男子生徒と飯を食っている所のようだ。


「んー? あ、本当だ。確かに珍しい光景だな。いつも水島さんから手作りのお弁当を貰って教室で食ってるのにな」


 そう。川崎はいつも水島さんからお弁当を貰っていつも二人で昼ご飯を食べる仲だった。だから川崎が学食を利用しているのは何だか珍しかった。


「でも何で川崎が学食を利用してんだろうな?」

「そりゃあ普通に水島さんが忙しくて弁当を作れなかったからとかじゃね? それか単純に弁当を作り忘れたとか?」

「んー、いや、それは無いと思うんだけどなぁ……」


 だって俺は昨日水島さんから料理についての相談を受けたばかりだ。そして明日のお弁当には川崎が好きそうな味の濃いお弁当を作ってあげると楽しそうに言っていた。


 だからそんな水島さんが単純にお弁当を作り忘れたとかそんな事をするわけはないと思うんだけどなぁ……。


「ふぅん? それじゃあ他に考えられる事は……って、あ、そうだ! そういえば今日は昼に男子バスケ部はミーティングがあるって友達が言ってたぞ」

「え? そうだったのか?」

「あぁ、そうらしいぜ。だから今日はミーティングがあるから弁当は要らないって事前に水島さんに言ったんじゃね? ほら、かなり前だけど晩御飯が要らないなら事前に連絡しろって二人が大喧嘩してた事あったじゃん?」

「あー、あったあった。それって俺が転校してきてまだ一ヶ月くらいの出来事じゃん。いやめっちゃ懐かしいなー」


 倉持はそんな懐かしい話題を上げてきた。確かに何かあったら事前に連絡しろって水島さんにめっちゃ怒られてたな。


(それじゃあ事前に今日はミーティングがあるからお弁当は要らないって言ったって事か)


 うん、確かにそれは一番あり得るな。流石の川崎でもあんなに怒られたんだからもう二度と同じ過ちは繰り返さないだろうしさ。


「なるほどな。確かにそういう事なら納得だわ。情報ありがとな、倉持」

「ん? あぁ、別に良いよ」


 という事で倉持のおかげで川崎が学食に居る理由について納得する事が出来たので、俺はそのまま昼飯を食べるのに戻っていこうとした。


 しかしその時、ふと俺はもう一つだけ気が付いた事があった。


(あれ?)


 川崎は机の上にスマホを置きっぱなしにしながら昼飯を食べていた。そしてそのスマホカバーには水島さんが誕生日プレゼントにあげたモンコレのキーホルダーが取り付けられていたはずなんだけど、でも……。


(キーホルダーが無くなってる?)


 でもそのスマホカバーに取り付けられていたキーホルダーが何故か無くなっていた。昨日までは確かにキーホルダーがスマホカバーについてたはずなのに……一体どうしたんだろう?

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― 新着の感想 ―
[一言] 川崎のクズ度が更に上がりそうな悪寒。これもう幼馴染を無自覚に奴隷扱いしてんな。
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