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11話:水島さんと誕生日プレゼントを買いに行く

 とある土曜日の早朝。


「お待たせ、冴木君」

「あ、水島さん。おはよう」


 今日は水島さんと都心部の駅前で集合していた。理由はもちろん川崎の誕生日プレゼントを買うためだ。


「今日は付いてきてくれて本当にありがとう! というか休みの日にこんな事に付き合わせちゃってごめんね、冴木君」

「いやいや、全然大丈夫だよ。どうせ俺も暇だったしね」


 つい先日、川崎から誕生日に欲しい物を聞く事が出来た俺は水島さんにその事を伝えていった。


 でも水島さんはやっぱりゲーム関連の知識は乏しいという事で、川崎の誕生日プレゼントを買うのを手伝って欲しいと頼まれたんだ。


 という事で今日は朝から一緒にランニングはせずに買い物をするために都心の駅に集まったというわけだ。


(あ、そういえば水島さんの私服姿を見るのって今日が初めてだよな)


 まぁやっぱり付き合いたいと思う女の子の私服姿を見れるのは普通に嬉しい事だ。という事で俺は早速水島さんの私服姿を確認していってみた。


 今日の水島さんの服装はピッタリ目のジーパンに黒いパーカーとキャップを被ったシンプルなコーディネートだった。ボーイッシュな感じの服装なんだけど凄くオシャレに着こなしていた。


(いや、でも何でこれで洒落っ気がなくて女として終わってるって事になるんだ?)


 少し前に川崎は水島さんの事を洒落っ気がなくて女として終わってる的な事を言ってたんだけど……いや全然そんな事ないじゃん。普通にめっちゃお洒落なんだけど?


(うーん……ま、でもとりあえず今はいっか)


 その事について色々と考えてみようかなって思ったんだけど、まぁでも今は水島さんとのお出かけの方が大切だよな。だからその事を考えるのは一旦止めておく事にした。


「よし、それじゃあ合流出来たし、早速駅の近くにある家電量販店に行ってみようか」

「うん、わかった」


 という事で俺達は駅からすぐの所にある家電量販店に向かって歩き始めていった。しかしその道のりで水島さんはちょっとだけ不思議そうな表情をしながら俺にこう尋ねてきた。


「えっと、冴木君のおかげでゲーム関連の商品が誕生日プレゼントに良さそうってのはわかったけどさ……でもまだお店開く前の時間だよ? こんな朝早くに集合する必要はなかったんじゃないのかな?」


 そう、俺達が集合した時刻は朝の9時前だった。そして家電量販店が開くのは10時からなので開店にはまだちょっとだけ時間がある。


「それは確かに水島さんの言う通りなんだけど……でも実は今日ってモンコレの新商品が発売される日なんだよね」

「え、新商品? へぇ、そうなんだ……って、あっ! も、もしかして……それってこんな朝早くに来ないとすぐに売り切れちゃうとか?」

「うん、そうなんだ。モンコレって老若男女問わず凄い人気なんだけど、でもモンコレの商品って初回生産のみの商品もかなり多いんだ。だから発売日に全部売り切れちゃう事もざらにあるし、それで売り切れちゃったらもうネットオークションとかフリマアプリでしか買えなくなっちゃう商品も多いんだよね」

「え、そうなの!? あ、でも確かに……そういえばモンコレのカードを買うために長蛇の列が出来てるってニュースなら私も見た事があるよ。もしかして今日の新商品ってやつもそんな長蛇の列が出来る可能性があるって事なの?」


 水島さんはビックリとした表情をしながらそう言ってきた。


「うん、そういう事なんだ。最近はどんな商品でも転売ヤーが多いから早めに並んでおかないとすぐに売り切れになっちゃうんだってさ。だから今日早い時間帯に待ち合わせにしたのはそういう理由なんだ」

「な、なるほど! いやそこまで希少価値が高いとは思ってなかったよ……というか冴木君もかなり詳しいんだね!」

「はは、水島さんと一緒に買い物に行くのが決まってから、そういうのは事前に調べておいたんだよ。だってもしも売り切れになってたら悲しいじゃん?」

「えっ!? そ、そんな事まで詳しく調べといてくれたの!? あ、ありがとう冴木君!! 私そういうの本当に全然詳しくないから凄く助かったよ!」

「うん、水島さんにそこまで喜んで貰えるなら俺も頑張って調べた甲斐があったってもんだよ。それにこれだけ希少価値の高い物なら、きっと川崎も喜んでくれるに違いないよ」

「う、うん! そうだよね! よし、それじゃあ早速行ってみようか!」


 という事で俺達は家電量販店の方に向かって行ってみた。


 すると家電量販店の前には既に列形成が出来ていたので、俺達はその列の後ろに並んでいった。

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