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ネフワアで買い物してから南下

戦利品の整理や破損した装備の修繕が終わると、ちょっとエコと二人で神殿へ。

さっき正体が解らなかった、戦利品の木製の粗末な全身鎧、兜、四つの腹巻(あと一つは街道で墓穴を掘った際に、もっこ代わりに使ってそのまま道端に打ち捨ててきた)に使われている木片の謎を解きに。

せめて手掛かりを得ようと。


見知った顔は居らず、取り敢えず中年の男性神官様に伺う。


「そういうことで、どなたかこれの効用が解る方はいらっしゃいませんか?」

「たしかに、何か……感じられます。少なくとも、魔物に関した何かの効果はあるようです」

「良くないものでしょうか?」

「うーん……私にはこれ以上は分かりません。ラクマカの神殿へ行けば解るかもしれません」

「そうですか。ご教示に感謝致します。有難うございました」


お布施に銀貨一枚を箱に寄付して、神殿を出る。


--


昼に大蜥蜴の燻製肉を食べる。


「ねえ、野菜も喰いたいよ」

「そうよね、あたし、買って来るから、トヨ、尾いてきて」

「あ、俺も買い物あるから、一緒に行こう」


と一言言って立ち上る。


「良いわよ。じゃあ、行きましょう」


「何を買うの?」

「ブーツ」

「あれ、持ってるでしょ?」

「うん、持ってるけど、死体から剥いだやつで、擦り減ってる。トモコのもそうだろ?」

「ええ」

「だから、トモコとトヨキと俺と、三人のブーツを今買おうと思う」

「ああ、そうねえ……なるほどね?」

「そういうこと」


周囲を警戒しているトヨは、分っているのか居ないのか、黙っている。


エコマサは戦利品のブーツに品質的にも満足しているのでまだ予備は要らない。

トモと俺のも戦利品として死体から剥ぎ取った奴だけど、サイズは足に合っているが、元々薄っぺらい感じの物で、それがそれなりに使い込まれて底が薄くなってるし、全体によれた感じがある。

やはり全力逃走しやすい、ちゃんとした足許が欲しかったので、今回買う事にした。


そしてネフワアは割と品物の巾があって、それでいてサカヌキ村からカツト村までの間で一番物価が安い部類なので、買い物には都合が良かった。


そういうわけで、物売り市場へ行って野菜を買ってから、履物の屋台へも行ってみた。

ところが、色々な革サンダルや草鞋や草履はあったのに、生憎と厚革ブーツは一足きりしかなかった。

サイズはトモにぴったりだったので、銀貨16枚と銅貨80枚を支払ってトモが購入。

野菜はぼく、ブーツはトモがしっかり抱えて持ち帰った。


「良いね、似合ってるよ」

「わあ、トモちゃ、良いねそれっ!」

「やっぱり、嬉しいわね」


踝の上まで護る厚革のブーツと、特徴のない普通の麻のパンツと、ごく普通の麻のシャツの組み合わせだが、日頃全くお洒落なんかできない環境に居るので、こういう普通の恰好をするのも稀。

だからこれだけでも、急にずっと美人になったような錯覚に陥る。


「トヨ、嬉しいだろ」

「へっ!」


と、照れ隠しをしようとしても、トヨはニヤニヤ笑いを消せずに居る。

顔が赤いぞ、とか追撃を掛けたら、撲られそうなので、ほどほどにしておく。


この日、ブーツだけではなく、蜥蜴革の丈夫な手袋も買った。

こちらは手袋とマントと革紐を売ってる屋台に、充分な数が売られていたので、全員分。

手に合うサイズでないと困るので、交代で買いに行った。


「やッぱ、嬉しいもンだなァ」

「そうね、凄く良いわ」


護拳と手甲だけでは水も防げないので、ぼくたちのように寒い時期に旅の空の下にある者にとっては、手袋は本当に欲しいものだった。

もっと前に買っても良かったのだが、店売りには地域差だけでなく、時期によっても変動があるので、できるだけ安い時を見計らっていたら、今日になった。

もしかするともう少し下がる可能性もあったが、これ以上長く留まる心算はないから、今が買い時だった。

一人当たり銀貨11枚と銅貨20枚を支払って購入。


--


午後に、宿のサービスに出しておいた革製品が戻ってきたので、受領と清算。


今回またしても革の装帯が一つ手に入ったので、トモへ。

付属の革の小物入れは三つだけで、三つは蔓を編んだお手製だったので、それは既に燻して掃除してある。

エコはお手製の装帯で今のところ不満は無いようだし、まともな革の装帯や小物入れが無いのはあとはもうぼくだけだ。


新たに得た、縁がかなり擦り切れた継ぎ接ぎマントは、そんなでもマサが使ってる山賊幹部から剥いだ同様な継ぎ接ぎマントよりはまだマシだったので、マサのマントと取り換える。

古いマントは巻いて担架に載せる。


--


更に翌日。

村の丘を下りて、街道警備隊とともにラクマカ北の断崖の『切通し』の上まで行って、そこで野営。


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