14話 噺
「ズメイが殺されました」
「『勇者』の生き残りは?」
「おそらく逃げたようです。予備戦力を転送いたしましょうか?」
「いや、やめとこ。現地の残存モンスターだけでダメ押ししよう。『魔神級』は虎の子ってことで」
「恐れながら申し上げますが、今ここで敵の主力を潰した方がよいかと」
「人類の最高戦力だよ。利用価値はいくらでもある。それより、ズメイ程度の戦力でも『勇者』レベルの人間たちに対してジャイアント・キリングできるんだね。これが分かっただけでかなりの成果だ」
「現に『勇者』を3人葬っておりますし」
「使い捨てレベルの魔族とモンスターの1個師団に最高戦力が負けちゃうとか、人間は案外ザコいね」
「こちらの損害もおおむね想定通りです」
「逃した冒険者は予想より多かったけど」
「メッセンジャーがこうも多いと情報に信憑性が出ます。王国も警戒を強めるでしょう」
「たしかに。でも作戦の時期が早まったって考えればむしろプラスだよ。こっちが無駄にちょっかいをかける必要がなくなったし」
「王国は軍を動員しますか」
「七割方するだろうね。ポテンシャルが分かんないのが怖いけど、所詮烏合かな」
「どちらにせよ数で勝っています」
「そうだね。じゃあ配備中の全作戦参加師団に伝えて」
──進撃開始って、ね。
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今回短めですm(_ _)m