表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2


私はそこで思い出したことがありました。

私は観葉植物が好きで、よく購入してはその窓のところで育てていたのです。

しかし、毎回その植物はすぐに枯れてしまうのです。私の性格がガサツなせいで、水のやりすぎか、はたまたやり忘れか…枯らすたびに落ち込んでいました。


「ああ、でもそれは仕方ないんですよ。代わりにそうなってくれているので。」


Cさんに話すと、なんでもないことのようにそう言いました。

まさかの私のせいじゃなかっただと!?


…いやそんなわけあるかい。

これは今でも私のせいで枯れたと思っていますが、それから観葉植物を置くときはどこかで生贄を差し出しているような気分になります。そして、案の定何度も枯らしました。なんか申し訳なくてフェイクグリーン置いたりもしました。


それからAさんに言われた一言にまた驚かされます。


「真四角の家じゃない?」


いやだからなんで分かんの!!もう怖すぎ!!

その時動揺した私は


「あ?えー?んー?」


と意味不明な曖昧な言葉と態度で誤魔化していましたが、Aさんにはきっとバレていたでしょう。

そして、家がほぼ正方形だと思い出した私はあることに気付きました。


真四角ってことはその道、角から入って、その対角から出てってんじゃね?


その対角の位置には玄関があります。玄関では一度事故がありました。

その事故の被害者は私の母です。

その日、私の母は仕事が休みで、私と私の子供の様子を見に来ていたのです。夕方、帰ろうと家を出たはずの母からすぐに着信がありました。


「階段から落ちて動けないから来て。」


私の家の玄関の入り口は三段ほどの階段があります。

いや、その三段から落ちて動けないってなんですか?

と疑いながらも玄関の扉を開けるとその場に蹲る母の姿がありました。

我が家から実家までは車で一時間ほどの距離がありましたので、車を運転しなければならないのですが、何せ立ち上がれないほどに痛めてしまったので運転ができません。

なんとか弟に連絡がついたので、母の車を持ち帰るために弟と弟の彼女に迎えに来てもらいました。

弟が迎えに来るまでの間、何故母に階段を踏み外したのか聞いたのです。


「それが良くわかんないんだよね。急にフッて力が抜けちゃったの。」


首を傾げながら言う母に、また随分うっかりさんだなと思っていたのですが、我が家から霊道が抜けるところとピッタリ合うことに気付いた瞬間は恐怖が襲ってきました。

おい!被害でとるやないかい!!と。

夫婦で話し合い建てた大切な家が、一気に呪いの家のように思えてきたのです。

あまりにも怖くなった私はCさんに私に何が憑いてるんでしょうかね!?と縋るような気持ちで聞いてみました。


「んー三人います。一人は…おばあちゃんです。顔は薄い顔で…しまさん顔濃いから血縁じゃないかも?

あと二人は若い子と、まだこの世に一度も生まれたことがない人ですね。」


私は血縁者じゃないかもと言われたのですが、一人思い当たる人が居ました。

私の曽祖母です。

曽祖母なので、私とはあまり似ていません。

私は曽祖母の初めての曾孫で、とても可愛がってもらいました。小さい時に亡くなってしまったのですが、今でも良く覚えています。思えば私が初めて行った葬儀は曽祖母の葬儀でした。

その曽祖母は、私の母の祖母で、私の母もまた初孫だったそうです。


もしかして、ひいばあ?

お母さんに帰ってほしくなくて、やっちゃったのかな?


私はそう思いました。

そして、家で聞こえる音のことが頭に浮かびました。

実は音がする時、かなりの高確率で家の鍵を締め忘れているのです。

流石にガサツな私でも音が聞こえればそれなりに気になります。強盗だったらどうしよう、と。なので、恐る恐る玄関に向かうのです。

すると鍵を締め忘れているのです。

私はいつも、鍵かけてないと家のなんかが影響して家鳴りが起こんのかと解釈していました。


だけど、もしかしてひいばあが教えてくれてたの?


ただ、血縁者じゃないかもって言ってたし、違うのかな?と思っていたのですが、それが顔に出ていたようで、Aさんがこちらを見て言いました。


「きっと、今頭に浮かんでいる人だよ。」


エスパーやめて…!!

そう思いましたが、もし、本当に曽祖母だとしたら、私は嬉しいと感じました。

今でも私のことを考えていてくれてるのかなと。

そう思うと、恐怖心も薄れて、まぁいいかと思えたのです。



ちなみに、私には三人憑いていると言いましたが、それは守護霊のようなものだそうで、誰でも大体三人くらいは憑いているそうです。

私の話を聞いていたBさんも、同様に聞いてみました。

するとAさんもCさんも顔を見合わせて苦笑い。

私とBさんはまさかとんでもないものが憑いているのかと不安になりました。


「いや…こんなに憑いてる人見たの初めてなんですよね…」


もおおおおおおおお!

それなんなん!?良いの悪いのどっちなの!?

と焦ったのですが、とても良いそうです。

Bさんは一体どんな人かと言いますと、人の為に動くことが好きな方です。息子さん達が手を離れた今、地域貢献ということで、ボランティアによく参加していて、ボランティアでなくても、近所の一人暮らしのお年寄りの家によく行き、色々お手伝いをして回ってるような優しい方です。

そんなBさんには、すごい数の守護霊が憑いているというのにも納得してしまいます。

Bさんも心なしか嬉しそうでした。



霊的な話は置いといても、その四人での飲み会はとても楽しいものでした。

ラストオーダー後も、話し足りない私達はAさんのお宅へお邪魔することになったのです。

Aさんのお宅は一番やばいと言われていましたので、少々不安もあったのですが、私はまだ半信半疑だったのと、だいぶ酔っていたということもあり、ノリノリでAさんのお宅に向かいました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ