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武闘祭開催

 学園長の開催宣言と共に、武闘祭は始まった。この国の王様の言葉や、特別委員会の委員長であるジークも言葉を述べていた。彼が百点満点のかっこいい演説をしていたから、よく慣れていると知った。入学式の時も同じように祝福の言葉を述べていたのだった。


 会場は皆がお祭りモードだったが、流石に警備に当たる特別委員会の周りには重たい雰囲気が佇んでいた。下手をすれば逆に標的にされて殺される事も、ない訳ではない。悲惨な状況を目の当たりにしてしまう、一番の場所でもある。そして、何かあれば一番責任を問われるかもしれない。


 だが、王の警備として、大勢の近衛兵は来ていた。第一騎士団の主力勢力を引き連れているようだった。だとしても、王都の主力各所の警備も他の所に回して、怠ってはいないと思う。武闘祭中に、他国から王国が侵略されたら、元も子もない。




 王に一番近い場所の左右に僕とジークが立っていた。何かに紛れて、意外と空いている正面から攻撃される可能性が高いからだった。

 

 僕は一度後ろを見た。王の隣には、正服を綺麗に纏った女性がいた。常に警戒態勢のようで、彼女なら大丈夫そうだと思った。漂うオーラからも、近衛兵以上強いとも言えそうだった。どう言う意味で置かれているかは分からないけど、少しは安心出来た。これで背後からの攻撃は大丈夫である。

 何かあったとしても、全方位の魔法壁を発動されば、一発で終わるだけである。


 その女性がこちらに気付いたようなので、僕はさりげなく視線を戻した。下手にマークされたら、嫌である。

 僕がそちらに見惚れていたため、何か意味ありげな目線をジークからされた。

 軽く咳払いをして、僕は剣が腰にあるかを確かめていた。警備として、王の前で帯剣をする事を許されていた。きっと変な事をすれば、嫌でも切られそうである。それが果たして、自分に傷を負わせるかはさて置き。




 目前では、試合が行われていた。

 最初の方は、強者と弱者を分けるだけの戦いのようだった。


 だが、当然他の劣等生はいない。この会場にさえ、彼らは招待されていなかった。大抵が自宅待機で、仲間外れにされていた。それについて、誰も可笑しいと言わない。

 僕は特別委員会の委員として、今回は会場入りを許可された。もしかしたら、ジークが何かを言ったかもしれないけど。


 面白くもない試合が進められて行き、やっとアレスの出番のようだった。それだけ、面白そうだと感じた。

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