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武闘祭の朝

 普段通りに過ごしていると、武闘祭当日はすぐにやって来た。覚悟はしていたが、思いの他早く行うイメージを持った。ずっと狩るのに忙しかった故郷でいた時より、ここの学園生活は時が瞬く間に過ぎて行く。それを肌でよく感じられる一時だった。



 朝の時間になると、扉を叩く音がしてからアレスが現れた。僕は選手としても出ないけど、アレスは出る事になっていた。賢者の再来として、期待の新星とも言われている。特別委員会の警備として、僕は会場入りするので面倒事に少ないと思う。

 一つ言うとしたら、他の委員から配置場所の文句を言われているぐらいだが、それはジークの問題とも言える。


「おはよう、レイ。今日は警備の任務?」

 と、アレスが近付いて来た。


「あぁ。おはよう。アレスが活躍する所を是非ともこの目で見たいと思うよ」


「本来なら、レイがこの場に立つべきだと思うけど?」


「いや、警備が手薄になり、何かが起これば数人の首では済まないかもしれないから」


 そう。下手をすれば、この王立魔法学園存続の危機とも言える。だが、その前に敵国でもが、襲って来そうだが。今はどの国も魔物で、困り果てていて、戦争どうこうの話ではなかった。これも幸いとも言えるかもしれない。

 実際に問題が起きれば、国中がパニックになり、責任どうこうとも言えないかもしれない。全てはやって見ないと分からない。でも、そんな事より、アレスの試合を見る方が面白そうである。


「レイも一応、剣を持つの?」

 と、アレスが僕の腰の剣を指した。


 アレスは今、「も」と言った。と、言う事は本人も持っているか。もしくは持つと考えていると言う事だった。今は腰にないから、きっと後者だろう。


「うん。時には魔法より機動性があったりするから。も、と言う事はアレスは試合で使うの?」


「ダンジョンで使ったのをね。先生に確認すると、魔法を応用するのならいいと言っていたから。でも、物理的な攻撃はアウトだよ。レイが教えてくれた事を折角なら、活用したいと思って」


「いいんじゃない? 一人だけ剣を振りまくっているのも、面白そう」


 僕はアレスが剣で戦っている姿を想像した。やっぱり。かっこいいと思う。あのダンジョンの時よりかは、冷静さを保ってくれれば、きっと。


「そんな適当に振る訳ではないよ。たまには違う事も行いたいな、と思ったのだ。それにそれを使わなければ、学んだ意味も分からないから」


「なら、頑張れ。近くで応援するよ」


 きっと僕は近くにいる事が出来ると思う。それも警備としているのだから。


「ありがとう」


 そう、アレスは笑顔で言った。

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