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新たな冒険へ

 僕は廊下で待っていたアレスにダンジョンの話をした。彼なら付いて来てくれそうで、背中を預けれる仲間であったから。すると、隣にいたジークが口を挟んで来た。


「なら、私も行く。特別委員会の委員長として、皆の安全を守る必要がある」

 と、何かかっこ付けた台詞を言い出した。


 僕は彼が行く理由が分からなかったから、聞いた。

「と、言ってもジークが行く必要などない。これは学生が各自で楽しめば、いいだろう?」


「いや、次の瞬間に死ぬかもしれない、ダンジョンの探検など危険過ぎる」

 と、僕の意見を通そうとしない。


 ただ自分が参加する理由を、正当化したいだけなのだろう。ジークのプライドが遊びに行くなど、言えないから。何ともややこしい、性格の持ち主だ。だとしても、自分の思いを何とか突き通そうとしている点は、成長しているかもしれない。


「ジークが行きたいなら、一緒に行こう。レイ」

 と、心優しい友達のアレスが言った。


 本当にアレスは優し過ぎる。ジークだけで何の荷物も増える事はない。逆にダンジョンで色々、彼の実力が役に立つだろう。だけど、最大の問題点は心にあった。そこだけはどのような魔法も効かない。


「アレスもこう言っているのだぞ、レイ」

 と、気をよくしたジークは笑顔で言って来た。


 もうここでジークへの評価はだだ落ちである。何も言わずに口を閉じていれば、何とも最高点を与えれるのだが。彼はそう言う優等生をこれからは余り、僕らの前では演じないだろう。


「…分かったよ」

 と、仕方なく僕は折れた。


「よっしゃー」

 と、誰かが盛大に叫んでいた事はもう見ない事にする。


 本当に誰のお陰だと、彼は思っているのだろうか。ダンジョンだからと言っても、油断は出来ないのである。そうやって生まれる隙が、逆に命取りになる事もあり得る。


 僕は最後の確認をアレスに取った。

「本当に、いいのかアレス?」


 励まされそうな笑顔を、アレスは浮かべた。

「それでいいよ。僕も息抜きをしたいからね。たまには違う遊び方を、僕ら三人で行いたい」

 と、彼は言っているがまだ出会って、すぐでしかない。


 だとしても、アレスのジークとの溶け込み方には、驚いている。ここまで彼が気を許せるとは正直、思っていなかったから。でも、こう言うは場の雰囲気に任せるべきと言うのだろうか。何となく今回はそうしようと思った。それで新しい何かを、知る事が出来る気がした。僕の想いはもう、冒険を待ち構えている小さな子供のようだった。


「なら、全てを任せるよ。僕も実は結構興味があったのだ」

 と、自分の気持ちを打ち明けた。



 そして、僕らは放課後にまた会う事を約束した。


 学園近くのダンジョン探検は、何とも面白そうであった。


 僕は一応、剣も腰から吊るそうかな、と考えた。案外魔法だけより、剣と言う物理的な攻撃が使えた方が、戦いやすいから。


 その事を言うと、他の二人もそうすると言っていた。何か面白い事になると思うのだろう。剣を持っているとは、思わなかったけど。

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