ボアやあの親子とまた会う約束をして
この世界の北海道に位置する場所は常に雪雲で覆われています。
そのため衛星からも地面の様子がちゃんと確認できていません。
我々としてはせっかくネヴタまできているので
そこから先の調査をしようということになりました。
この世界の住人でネヴタより北へ行き帰ってきたものはいないそうです。
要塞のてっぺんから
ながーーーーーーーーーい滑り台が先か見えなくなるまで
続いています。
死罪となった犯罪者をその滑り台で流すのが
この世界の伝統的な刑罰で、
落とされたものがネヴタに戻ってきたことは
今までに一人たりともいないとのこと。
っというわけで
テッテレー♪
これまたメルベルと湖畔で引きこもっていたときに開発した
魔素長時間動くことができて遠くとも
レイテンシーなしで通信できる360度カメラ付きドローンを
インベントリから取り出し
このドローンで要塞のさらに先を調査してみようと思います。
厚い雪雲の先は
一面氷の世界です。
どうやら死刑囚は滑り台で地にたどりつくまえに
凍って凍死しているようです。
滑り台が降り立ったところに
死刑囚と思われる死体が転がっています。
要塞の上のモニター越しに確認していると
ボア
「これだけなのか?」
とボアが訝しげています。
どうやらここ数ヶ月だけでも
50人は死刑執行したはずなのに。
死体は十数体しか見当たらないとのこと。
これは気になります。
ドローンをさらに奥へ進めてみようとしたそのとき
メルベル
「なにかいます!」
モニターに鬼?のようなものが移りました。
ドローンには隠密系の魔法が重ねがけされているので、
鬼のようなモノはこちらに気が付いていません。
黒狼が倒したはずの鬼にも似ていますが、サイズは人間サイズです。
その鬼のようなものが死体を運びます。
ついていってみると
ただ突っ立ってるだけの死体が等間隔にビッチリと並んでいます。
しかもその数少なく見積もっても1万以上はいそうです。
いまにも動き出しそうな凍った死体。
これはいったいなんなのでしょうか?
さらに先に調査を進めたいところですが、
なにか嫌な予感がするので調査はココまでにします。
あとは要塞が抱えていそうな問題を解決して
トウキョへ戻りましょう。
メルベル
「ボア、また来ることになるだろうから今困ってることはなにかな?」
ボア
「なにからなにまでホントにすまない。やはり飢えだな
ここは寒さもあってか、食物があまり育たなくてな」
メルベル
「ほかには?」
ボア
「いや、飢えさえしのげればあとは自分たちでなんとかする」
とのことです。
さっそく胡坐を掻いて経典を反芻して
テッテレー♪
循環と成長のスキルを取得して
グローアップという魔法を想像し
家の基礎工事なでの使う魔法
ドリルイグザクトで要塞周りの土地を耕し。
種芋になるじゃがいもを異世界償還で召喚して
埋めて回りに人が集まってきたので、
またボアの声真似をして
グローアップと詠唱して
ジャガイモ畑が完成しました。
当分の間飢えからは解放されるでしょう。
続きまして、
温泉源を索敵で探します。
見つかりました。
掘削スキルで穴を掘って
要塞近くに温泉もできました。
これで厳しい寒さもだいぶ楽になるはずです。
ネヴタの民たちが集まってきたので
ボアのほう指さしておきました。
またボアが女神扱いされてんぱっていましたが、
こちらの知ったことではありません。
ネヴタにも数日滞在したあと
ボアやあの親子とまた会う約束をして
トウキョの冒険者ギルドに戻ってきました。