北送り
人工衛星を使って精密な地図を作りました。
どうやらこの星は一つの島があるだけであとは全て海。
我々がいるこの島は日本にとてもよく似た形をしていて
全て地続きになっており、
海辺は森で囲まれ内陸地の一部だけに
人が密集して住んでいるようです。
人が住んでるいる場所は主に
学園都市トウキョ
商業都市キョウサカ
王都キューシュー
があり
トウキョより上はなにもなく
元の世界でいうとこの青森と北海道の境目に
大きな要塞あります。
メルベル曰く数百年前に大寒波に見舞われ
トウキョより北の民は息途絶えたのだとか。
要塞の周りにも少し人が集まっていて、
「北送り」と呼ばれる制度があり、
傷病奴隷や犯罪者がいるそうです。
メルベル
「私もここに送られるはずだったんですよ」
とメルベルも北送りにされることが決まっていたそうです。
理由を尋ねるとメルベルはまだ天動説が共通認識とされている
この異世界で地動説を唱えてしまったそうです。
地球でもその時代は魔女狩りやらなんやらありましたから
仕方ないことなのかもしれません。
そういえばメルベルをだまして拉致したことをすっかり忘れていました。
ここでちゃんとメルベルに謝罪しておきましょう。
いくらナマポのコミュ障でもけじめはけじめです。
正直にすべてを打ち明け謝罪すると
メルベル
「え?嘘ついたつもりだったんですか?
てっきり何もわからない私が混乱しないように
最初はあんなふうに言ってくれたのかと」
驚きです。
とっくに正体などわかったいたようです。
メルベル
「ご主人様はご主人様です」
と笑顔で言われ泣きそうになってしまいました。
さて胸のつかえも取れたところで、
二人でアントマンしてドローンに乗りトウキョに潜入して
メルベルの北送りをなくさせましょう。
隠密状態で学長室まで侵入し、メルベルだけが急に表れたことで
老齢女性の学長さんはえらく驚いていました。
メルベル
「学長驚かせてすみません!メルベルです覚えておいでですか?」
女学長
「覚えてるも何も北送りが決まって、どこかに逃げていたのでしょう?
ここへ現れたということは地動説なんて考えは捨ててこれたということですね」
メルベル
「いいえ」
女学長
「そうですかいいえですか、え?いいえ?」
メルベル
「はい、その考えを捨てることはできませんが、
これ以上学園にご迷惑をかけることも望ましくないと思っておりまして、
本日は研究職の退職願いを出しにきました。」
女学長
「そうですか退職ですか、それであなたあてはあるの?」
メルベル
「大丈夫です、それでは!」
とメルベルは姿を消し
学長の机の上にはいつまにか退職届が。
これでメルベルが北送りになることはなさそうなので一安心ですね。
メルベルはお世話になった人にあいさつしてくるとのことなので一旦別れ
一人で街を散策しながら身分証の為に冒険者ギルドを目指します。