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俺が外に出られなかった理由

 それから数日が経ち、俺は毎日のように街に行っていた。この数日間で感じたことは、とにかく広いということだ。街を歩いてまわるのに数日も必要ってどんだけでかいんだよ、とか思いながら観光みたいなことをしていた。格好はいつも通りだが、ローブを羽織っているから変わってたとしても気づかないけどな。

 まぁ、そんなことを考えながら俺は今日も街に来ていた。魔法の訓練はしなくていいのか?って、そんなことはどうでもいいんだよ。俺は自分に正直だからな。その時、その時で動けばいいと思ってるからな。そんなことを考えながら歩いていたら、人にぶつかってしまった。


    ドンッ


 「あ、すんません」


 「おい、ちょっと待てよ。ガキ」


 ああ〜、めんどくさ。謝ったじゃん、それでいいじゃん。何がだめなの。ホント、意味わかんね。


 「大人にぶつかっといてその謝り方はダメなんじゃないのかな〜」


 なんだ?急に口調が変わったな。優しい口調で俺に話しかけてきた男は30代前半の少し厳つい顔をした男だった。だが、ぶつかった時の方が本性だろう。すぐに口調を直した感じだし。ま、そんなことはどうでもいいや。


 「えー、どうも、すいませんでした。それじゃあ。」


 そう言って頭を下げて、立ち去ろうとした。そしたら、男が肩を掴んできた。


 「なんですか?さっき謝りましたよね?」


 「うるせぇ!優しく言ってやったら調子に乗りやがって!そんなことはどうでもいいんだよ!とりあえず、そのフードを取りやがれ!」


 あ、本性を現した。まぁ、いいか。

 そう言って男は俺の被っていたフードに手をかけ、外した。


 「なっ、白い髪だと……」


 「ん、この頭がなんかあんのか?」


 「ほほう、お前、白髪か!」


 「それがどうかしたのか?」


 「知らないのか?なら、教えてやる。白髪はな、たまに生まれる人間で、力も魔力も普通の人間とは比べ物にならないくらい高いんだ。人間の中でもかなり珍しいんだよ。特徴は、真っ白な髪の毛に紺碧の瞳。まさにお前のことだ」


 うん、確かに特徴は合致するな。力も魔力も普通の人より大分強い。まぁ、それはテオスのせいなんだがな。しかし、これで納得がいった。だから、両親は俺を外に出したくなかったのか。まぁ、その辺は家に帰ったら聞こう。


 「それで、お前は俺をどうするつもりなんだ?」


 「あ?そんなの簡単だよ。取っ捕まえて、売り飛ばす。白髪は珍しいからなぁ〜。いい値段で売れるんだよ」


 欲望まみれのクソ人間が、お前なんかに絶対捕まるわけないだろ。


 「1つ教えてあげましょう。あなたは絶対に俺は捕まえられない」


 両手を広げ、男を見下すような感じで俺はそう言い放った。


 「チッ、ムカつくガキだ。オラッ、」


 男は、掴んでいたフードをさらに引っ張った。だが、俺は、フードを引っ張られたことを利用してローブを脱いだ。そしてそのままダッシュで逃げた。もちろん、男は追ってきてる。ていうか、なんか人数増えてるんですけど!3、4人くらいになってる。まぁ、人がそんなにいないところまで行って止まるか。

 それから、十分くらい走って人がいない裏路地に入った。もちろん、男もついてきてた。


 「はぁはぁ、やっと止まったな、ガキ」


 「大丈夫ですか?息が切れてるけど?」


 「そんなことよりもお前自分の置かれてる状況わかってんのか?お前は1人、こっちは4人だ。どうやって逃げるって言うんだ?」


 「そんなの簡単だよ」


 そう言って俺は、魔法陣を5個展開した。


 「お前らを灰に変えてやるんだよ」


 今思えば、人に魔法を撃つのって初めてだな。ワクワクすんなぁ。でも確実に殺すのは簡単だけどやっぱ、じわじわと殺したいな。うーん、と悩みながら魔法陣を展開しながら。よし、決めた!


 「『永久(エターナル)地獄炎(ヘルフレイム)』」


 俺は、そう言い放った。そして展開していた5個の魔法陣を16個に増やした。そこから50センチくらいの黒い炎の球が出てきた。それらは、4人の男らの四肢に纏わりつきじわじわと手足の先から徐々に焼き始めた。男達は、地面に倒れて、のたうち回ったりしている


 「うわぁぁぁああ、焼ける!俺の体がぁぁああ!」


 「ぎゃぁぁああ、熱いぃい!たすけてくれぇぇ!」


 「お、おい!水だ!魔法で水を出して消すんだ!」


 その言葉に1人の男が頷き、水魔法を使った。だが、生成された水は炎を消すことはなく逆に蒸発してしまった。そして、地獄の炎は少しずつ男達の体を焼いていく。


 「1つ教えてあげよう。それはどんなことをしても決して消すことのできない地獄の炎だ。お前らの体を焼き尽くすまでな。まぁ、精々、いい声を聞かせてくれよ。くくく…くははははははっ」


 俺は両腕を組み、地面に寝転がっている男達を眺めながら高笑いしている。実に愉快だ。あんだけ粋がってたのになぁ。まぁ、こんなもんか、強がってる奴なんて。所詮は口だけだったな。

 前世ではこんなことできなかったからなぁ。やっと見たいものが見れた。人間がもがき苦しむ姿は、とても面白い。こいつらが灰になるまで眺めてやろう。

 その後、20分くらいで男達は灰になった。実にいい悲鳴だった。断末魔とは、なんかいいな。

 よーしっ、家に帰ろ。両親に聞きたいこともあるしな。そして俺は、家に帰るために空の彼方へと飛んで行った。


 そして晩御飯が終わった後、俺は父と母と向かい合って座りながら話をしている。まぁ、内容は俺がなんで外に出させてもらえないのか、だ。


 「父上、母上。なぜ僕を外に出させてくれないのですか?」


 「それはな、お前がまだ5歳だからだ。幼い子供、しかも領主の息子だ。どっかの逆賊に狙われるかも知れないからな」


 父はそう言い、母はうんうんと頷いている。まぁ、もう何回も聞いているんですけど。だが、理由は絶対それではないはずだ。よし、こうなったら俺の白髪のことに関して聞いてみるか。


 「この間本で見つけたのですが、どうやら白髪は稀な存在らしいですね。しかも、かなりの力と魔力を持ってるとか……」


 「な……どこで、そのことを知ったんだ!」


 珍しく、父さんが動揺しているな。そこまでして俺には知られたくなかったのか。


 「だから、本ですって」


 「アクシス、嘘はいけないわよ。私はここの書物を全部読んだし、内容は全部覚えているからね。そんなことは無いはずなのよ」


 いやいやいやいや、母さん何者だよ。ここの家かなりの本の量あるよ。それ全部覚えているって化物でしょ。


 「まぁ、知ってしまったことならしょうがない。だからと言って、外に出すつもりはないがな」


 やっぱりか。ま、もう出てるんだけどね。しかし、白髪のことは俺も隠さなくちゃいけなくなったな。ローブ取られちゃったからな、新しいのを後で魔法で作っとこ。まぁ、この後のことは自分の部屋で考えよう。そう思い両親のいる部屋から出てこうと立ち上がろうとしたら、


 「そうだ、アクシス。どうやら、明々後日に国王様が貴族を招待して夜会を開くそうなのだ。それでな、明日にはここを出発して王都に行くから準備をしておいてくれ」


 はぁ!?急に何言ってんのこの人は?王国に行くとか貴族の夜会だとか、この辺はまぁいい。だが、外に出さないって言ったばっかじゃん。まぁ、とりあえず返しておこう。


 「わかりました。でも、僕は外に出てはいけないんじゃないんですか?」


 「いや、外には見られないように馬車で行くから問題ない」


 父さんもう言ってることがめちゃくちゃだな。でもまぁ、王都に行くのか。ちょっと楽しみだな。国王とか他の貴族とかはどうでもいいんだけど。王都は見て回れるのかな。やばい、ワクワクしてきたー。よし、今日は早く寝て、明日にしよう!


 「わかりました。それでは、僕は明日に備えて早く寝ます。おやすみなさい、父上、母上」


 「ああ、おやすみ。アクシス」


 「ええ、おやすみ。アクシス」


 俺は部屋をあとにし、自分の部屋へとスキップしながら戻ってすぐに寝ようとしたが、1つ思い出したことがあった。この間街で買ったスキルのことに関する本を少しだけ読もうかな。そう思いベッドから出て机に向かい本を開いて少しだけ読み始めた。


 数十分が経ち、キリのいいところで読むのをやめた。わかったことは、まぁ結構あったが中でも一番知れてよかったと思ったのが、この世界の人間は、基本的にスキルは1つしか持ってないらしい。でも、たまに2つ持ってる人間もいるらしい。まぁでもスキルを公開することなんてまずないからいいか。あと本の内容的にはスキルの種類かな。かなりたくさんのスキルがあった。と、まぁこんな感じかな。使えそうなのは『スキル生成』で作っとこ。

 よし、今度こそ本当に寝よう。

8話目の投稿です。作者の霊璽です。

今回は、投稿が少し遅くなってしまい、すいません。

今回の話は、色々と解明されていきましたが、まだ、わからないことだらけなので、知りたい方は、これからもよろしくお願いします。

次回は、王都に行く話なのでアクシスが何をやらかすかは楽しみにしていて下さい。

それでは、また次回の話で………

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