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街の観光、めっちゃ楽しい〜。

 テオスと会話した翌日、俺は父さんの部屋に来ていた。


 「聞きたいことってなんだ?アクシス」


 そう、俺は昨日テオスに言われたこの世界で一番強い種族とはなんなのかを聞きに来たのだ。父さんなら、騎士として名高いから、魔物とかにも詳しいだろうと思い、やってきた。


 「この世界で一番強い種族ってなにかわかりますか?」


 「この世界で一番強い種族かぁ、そうだな〜、幻獣とかだと思うぞ。まぁ、正確には幻獣種と呼ばれる存在だな。」


 「幻獣種ってどれくらい強いんですか?」


 「まぁ、見た人間が殆どいないから伝承でしか伝えられてないけど一体で人の王都を壊滅させられるとは、言い伝えられてるな」


 そんな化け物より強いのか、俺は。ふざけてる。それだったら俺一人で人の世を終わらすことだって出来てしまう。力を出すのは、気をつけよう。


 「そうなんですか、ありがとうございました」


 そう言って俺は父さんの部屋から出て行った。そして自分の部屋に戻った。テオスの奴どんだけ俺を化け物にしてんだよ。それから、夜までずっと幻獣に関する情報を探した。でも、大方父さんの言ったとうりのことしか書いてなかった。そんだけ、目撃されてないんだろう。まぁ、もう、眠いし今日はここまでにして寝よう。




 それから数日が経ち、幻獣の情報が特に見当たらなかった俺は、ほぼ毎日裏庭で魔法を練習している。この世界の人間のレベルに合わせないとのちのち面倒なことになりそうだからだ。もちろん、魔法を使うときは、周りに被害が出ないように『完全障壁(パーフェクトバリア)』を裏庭全体を覆うようにしている。追加で遮音もできるようにした。え?どうやったかって、そりゃ『魔法生成』ですよ。あれをちょっと改造して、効果を決めておけばイメージしなくても詠唱すれば発動するようにしたのさ。どうやらこの世界の人間は詠唱でイメージを明確にしているから無詠唱ができないらしい。俺は詠唱しなくてもイメージが明確にできるし、詠唱するのめんどくさいからこういうやり方を採用したのだ。

 しかしまぁ大変だ。この世界の人間の魔法のレベルに合わせるのは。同じ詠唱を使っても威力が違いすぎる。うーむ、ここが今一番の問題だな。

 ん、身体能力はどうなっているんだって?そこに関しては、本気を出さない限りは5歳児程度の力しか出せないみたいだから問題は、な〜し。


 そして、さらに数日が経ってやっぱり俺は異常なんだなと感じた。強すぎるだろっ、毎回魔法を使うたびに裏庭の地面がえぐれるし、障壁で外にはなにも漏れないけど、中にいると相当うるさいし。もっと普通がよかったな、テオスめ、恨むぞ。

 今度テオスにあったら、魔法をぶち込んでやろう。ふふふ、フハハハハっ。どんな魔法を使って苦しめてやろうか、今度テオスに会うのが楽しみになってきたぞ。神なんぞ叩き潰してやる。

 ていうか俺、最近同じ行動しかしてないような気がする。いつも、裏庭で魔法を練習しているか本を読んでいるのどっちかだな。ま、基本的に朝から夕方まで魔法の練習で夜は本を読んでいる。くそ、つまんね日々しか過ごしてないな。しかも、夜に至っては、ほぼ毎日両親が何か二人でやってるし。なにをやっているかは言わんぞ。しかし、うるさいんだよな。全くそういうことは俺が寝ているのを確認してからやって欲しいもんだ。しっかし、今日もお盛んなことだ。よくそんな毎日やってて疲れねーよな。そんなことより、寝よう。寝れるかわからないけど…



   〈翌日〉

 

 「ふわぁ〜あ、案外寝れるもんだな」


 ベッドの上で体を伸ばしながら、独り言を言う。今日はなにしようかな〜。特にすることないんだよな。

 というか、いい加減、外に出たい。こいつ何言ってんだとか思うかもしれないが、俺は今まで自分の家から出たことがない。いや、街に行ったことがないの間違いか。父さんや母さんに頼んでもダメだと言われた。なんでダメなのかはわからない。だから外の状況がどんなのか、わからない。だから、街を観光したいのだ。こっそり抜け出すか。いつもみたいにリリアに魔法の練習してくる、って言えばどうにかなるだろう。誰も俺が裏庭で魔法の練習してるなんて知らないし。よし、そうと決まれば朝ご飯食って裏庭から街に行こう。

 朝ご飯を食べ終わり、リリアに魔法の練習してくると伝え、裏庭に来た。


 「ふぅ〜、よしやるか」


 体を少し動かして、軽く踏み込んでジャンプした。そしたら……


 グッ、バンッ、ヒューッ、


 「うわあぁぁ〜あ、飛びすぎだろぉ〜」


 ヤバイ、空中だと姿勢が保てない。そうだ、確か頭の方が重いから、頭を下にしてっと。そう考えた俺は頭を下にした。以外に高く飛んでいたらしく、地面がすごく遠い。まだ地面から500メートルくらいあるな。む、街の人間の服装は俺と違うな。そう思った俺は、手を前に出した。そして、魔法陣を自分の前に出してその魔法陣を俺はくぐった。そうすると、服装が街の人間に似たものに変わった。着てる感じ、麻の上下、半袖と膝よりちょっとしたの短パンか。うん、やっぱりイメージするだけで魔法が使えるのは便利だな。俺は、そのまま、落ちた。


 ヒューッ、ドッカーン、


 街の中心部から少し離れた場所に墜落した。痛くはなかったが、クレーターを作ってしまった。街の外ならまだいいんだが、ギリギリ街の中なんだよなぁ。

 まずい、人が寄ってきた。とりあえず、バレないように逃げよう。そう考えた俺は、不可視の魔法を自分にかけ、街の中心部に走った。

 5分くらい走って人目のつかない裏路地に入って魔法を解いた。うーん、どうしようか。万が一、ガーディナ家の息子ってバレるかもしれないからな。フード付きのローブを羽織るか。そう考えた俺は、魔法でローブを作り出した。俺の魔力のオーラを隠せるようにした。念のためな。俺の魔力のオーラは普通の人間より大きいらしいから。一応、隠しとかないと。それを羽織り、フードを被って裏路地から出た俺は、街の観光をし始めた。

 当たり前なのだが、始めてきた街だからかいろんなものが気になるな。そんなことを考えながら歩いていると一軒の店が目に入った。『魔法書店』と書いた看板が出てた。


 「魔法書店、か。少し気になるし行ってみるか。」


 外観は古本屋っぽい簡素な造りの建物だ。よし、中に入ろう。そう思い、扉を開けて中に入った。見渡してみると、うーん、中は、前の世界の本屋とそんな変わんないかな。いや、そんなことを考えていないで、本を見てみよ。パラパラと何冊か見てみたが、だいたい知ってる知識だった。ほかに何かないかな〜、と思って見ていると一冊の本が目に入った。


 「これは?」


 書いてあった題名が『全世界スキル大全集』だ。スキルの大全集、か。少し気になるな。だが、もう立ち読みはできない。なぜなら、さっきから店員らしきじいさんがこっちを見てるからだ。まずい。買いたくても金がない。どうするか……そうだ!ないなら魔法で作ればいいんだよ!そう考え、本を持って店員のところに行った。


 「すいません、この本が欲しいんですけど…」


 「小銀貨5枚ね」


 「1つお願いで、小銀貨を見せてもらってもいいですか?」


 「変なこと聞くね、まぁいいけど。ほれ、」


 なるほど。これがこの世界の金か。これをイメージして、手のひらに魔法陣を展開し魔法を使った。そして、小銀貨を5枚出した。もちろん、店員には見えないように手を後ろに回して魔法を使った。


 「ありがとうございます。これでいいですか?」


 そう言ってさっき作った小銀貨を出した。少し、ドキドキしたが、特に問題もなく買えた。よし、家に帰って読もう。とりあえず、この店は出て他も見てみよう。

 本屋を出て、街を観光し、少し腹がへったから焼いた肉を買って食べた。今は、街の中心部にある掲示板の近くのベンチに座っている。気づけばもう夕方だ。


 「ふぅ〜、以外に楽しいな、この街は」


 そう言いながら地面に届かない足をふらふらさせている。


 「ま、とりあえず今日は帰るか」


 そう言ってベンチから飛び降り、人目につかない場所まで移動した。ついた場所は、街の郊外に来た。


 「よし、やるか。ふんっ」


 今度は結構踏み込んでジャンプした。


 ググッ、バン、ドヒューン、


 もう、慣れるとそんな怖くないな。いや〜、気持ちいい風だ。夕日もなかなか綺麗だなぁ。おっ、家が見えてきたか。俺は見えた家に向かって降りるために頭を下に向けた。そして『完全障壁(パーフェクトバリア)』を使い被害が家に出ないようにし、爆風の音も遮音して、落ちた。


 ヒューッ、ドッカーンッ、


 うん、やっぱり、痛くないな。起き上がって、服についた土などを払った。そして、地面の凹みを直した。そうだ!服は変えなくちゃいけないのか。そう思い、魔法を使って家を出る前の服装に戻した。そして、何事もなかったかのように部屋に戻った。とりあえず、ベッドにダイブ。明日も街に行くかな〜。どうしようかなぁ〜。今日買った本もいつか読まなくちゃ。

 ま、全部、明日決めよう!おやすみ!


 そう1人で心の中で言いながら眠りについた。

7話目の投稿です。作者の霊璽です。

今回は、アクシスが初めて街を観光する話です。

まぁ、街までの行き方は、ちょっとアレですけど楽しんでるようですね。多分、次回も街に行くことになると思います。

今回も楽しんで読んでもらえたなら嬉しいです。

それでは、また次回の話で……

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