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魔法のについての質問と落下物


 「そうだ、聞きたいことがあったんだ」


 「なになに、なにが知りたいの?教えられる範囲のことだったらなんでも教えちゃうよ」


 「数日前、魔法使ったんだけどさ、なんであんなに威力が高かったんだ?」


 「ああ〜、それはね〜、君の中の魔力が莫大なのとイメージした時の強さがそのまま出たっていうのが一番の理由かな」


 「あれ、イメージって関係ないんじゃないの」


 「それがね、違うんだよ。逆に一番重要だと言っても過言ではないんだよ。」


 うわぁ、すっごいドヤ顔。でも、イメージって一番重要なんだな。クッソ、嘘教えやがって。今度潰しに行くか。


 「で、どう重要なんだ?」


 「まず、魔法を発現させるために必要なのが魔力とどういった魔法が使いたいかの明確なイメージなんだけど、この世界の人たちはそれを詠唱をイメージのかわりにしてるんだよ」


 「へぇ、そうなのか。それで、なんで俺はあんなに威力が高かったんだ?」


 「その理由は、2つある。1つ目は、ぼくが君の魔力量を莫大にしたこと。2つ目は、君がどんな魔法を使いたいかのイメージがはっきりし過ぎてたことかな」


 「お前どんだけ俺の魔力量底上げしてんだよ」


 「えっとね、確か、この世界で一番強い種族の10倍くらいかな、身体能力はその種族の5倍くらいにしといたから。」


 もう、返す言葉もねぇ。しかし、イメージが重要なら『魔法生成』は、いらねぇか。それに身体強化もいらないよなぁ。でもまぁ、よく考えよう。あ、そうだ。もう1つ聞きたいことがあったんだ。


 「ところで、お前はここにどうやって来たんだよ」


 「転移魔法だよ。ぼくは、この世界の神様でもあるから、様子を見てるんだよ。で、君が一人で黄昏ているから、見に来てあげたわけ」


 「そうですか、そりゃ心配してくれてどうもありがとうよ」


 「いやいや、そこまで感謝されることではないよ」


 こいつ、なんかムカつくんだよな〜。いや、こんなこと考えてないでもっと質問しよう。


 「あと、何個か質問してもいいか?」


 「うん、いいよ。なにが知りたいの?」


 「この世界の人間ってどうやって魔力の流れを見てるんだ?それと俺、魔力の流れとか見えないんだけど、どうしてなんだ?」


 「え、見えてなかったの?それであの魔法の威力?君ある意味ですごいよ」


 「そうなのか?自分じゃあ、よくわかんねぇから教えてくれ」


 「まずね、この世界の人間は生まれた時から元々見えてるんだよ。それで、なんで君が見えないのかは、ぼくもわからないんだよねー」


 「は?お前でもわからないことなんかあるのか?」


 「う〜ん、普通はこんなことないんだけどね。もしかしたら、前世の目を引き継いでいるのかもしれない」


 「そうなのか…じゃあ、俺は一生見えないままなのか?」


 「いや、それじゃあ可哀想だから、見えるようにしてあげるよ。はい、じゃあ、目をつぶって」


 「え、ちょっと、もうやるのか?」


 「見えなくてもいいならやらないけど、見えるようになりたいなら、あと3秒以内に目をつぶって。はい、さ〜ん、…」


 「はい、つぶりました」


 「じゃあ、やるよ」


 テオスはそう言うと、そっと手を俺のつぶっている目の上に置いた。そして、詠唱をした。


 「改良(インプルーブメント)


 テオスがそう言うと見えないはずなの外の世界が少しずつ見えてきた。


 「どう、目をつぶってでも外の世界見える?」


 「ああ、見える見える。でもなんで見えるんだ?」


 「それは、君が体で魔力を感知しているからだよ。生命は全て魔力を持っているんだよ。そしてその魔力は常に外にオーラとして発せられている。それを君が体で感じてるってわけ。」


 「なんで、体全体で感じてるのに、目に見えるんだ?」


 「実際は、目に見えているわけじゃなくて、全身で感じたものを信号として脳がキャッチしてそれが見えてるだけだよ」


 「そこらへんに生えてる草の葉っぱの先まで見えるんだが…」


 「きっと君の魔力感知が高性能なんだろうね。この世界の人間は、そこまで感知できないからね〜」


 「こっちの人間は、どんくらい感知できるんだ?」


 「えっとね〜、個人差もあるけど魔力の強いものは強く光ってるぐらいにしか見えないかな」


 「そうなのか、ま、ありがとうよ」


 「ちなみに、魔力の流れっていうのは生命が発するオーラのことだから」


 「え、じゃあ、魔法ってそんなに連発できないのか?」


 「いや、そんなことはないけど」


 「そっか。俺は、てっきり魔法が使えなくなるのかと思ったけど」


 「なんで?」


 「いや、だってほら、魔法って自分の魔力を起源に周りの魔力を使うじゃん。それで周りの魔力無くなったら使えなくなるんじゃないのか?」


 「それはないよ。魔力は常に生命から出てるから、使ってもすぐ満たされるんだよ。ほら、周りを見てもわかるけどそこらへんの草からも魔力が出てるんだから簡単になくなることはないよ。」


 「そっかそっか、それなら安心だな」


 「あと、たまに魔眼と呼ばれる眼に魔法陣が宿ってる人がいるから。その人達はね、眼に魔力を込めるとと魔法陣が発動するから、もし闘うなら気をつけてね」


 「魔眼か〜…俺は、使えないのか?」


 「できないこともないけど、難しいかな。」


 「どうしてできないんだ?」


 「魔法陣を眼に付与するのは、かなりのリスクがあってね、失敗すると目が見えなくなるんだよ。そもそも、体の一部に魔法を付与するのは並大抵の神にはできないからね。ぼくでも結構難しいんだよ。」


 「じゃあ、さっきのは?」


 「あれは、君の眼に魔法を使っただけで付与したわけじゃないから、簡単にできるんだよ。」


 「そういうことか」


 「他の質問はある?」


 「いや、特にないかな」


 「わかったよ、じゃあ、帰るね。バイバイ」


 「おう、じゃあな」


 そう言ってテオスは、転移魔法で帰っていった。いや〜、疲れた〜。でも、これで魔力の流れが見えるようになったからよかったぜ。これ目を開けてても流れは見えるんだな。ちょっと、魔法使ってみるか。裏庭の草原だから火魔法は使えないか。なに使うか…うーん、ま、イメージが重要なら詠唱はいらないから適当にやってみよう。

 そういって軽い気持ちで手に魔力を集中させてみた。そしたら、周りの魔力の流れも変わった。そして魔法陣が出てきた。かなりでかい魔法陣だな。俺は、その魔法陣にさらに魔力を込めた。ついにその魔法陣が、発動した…が、特に変わった様子はないな。なんだ?なんも起きないぞ?

 そう思っていると、空から何か降ってきたことに気がついた。なんと隕石が降ってきたのだ。結構な大きさだし、スピードもなかなかの速さだ。これは、やばい。俺は、急いで魔法の詠唱した。

 

 「『完全障壁(パーフェクトバリア)』」


 隕石が地面に落ちる少し前にとっさに魔法を詠唱した。そして、裏庭をドーム状に半透明の障壁が覆った。もちろん、俺は障壁の外にいますからね!

 そのあとすぐに隕石が地面に落ちた。爆風とか飛散物は全部障壁の中で、裏庭の範囲から出て行くことはなかった。しかし、裏庭にかなりでっかいクレーターができてしまった。どうしよう。

 そうだ!土魔法を使えばいいんだ。クレーターを埋めるイメージをして、ま、無詠唱でいいか。クレーターの底の方に魔法陣が出てきた。それが徐々に上に上がってきた。クレーターの一番上に来ると魔法陣が消えて、そこには、隕石が落ちる前の状態に戻っていた。よし、完璧だ。今度からは、魔法を使うときは加減しよう。でもなんで、なにもイメージしなかったら隕石が降ってきたんだろう。

 そこらへんはのちのち考えるとして、今日はもう部屋に戻るか。

 そういえば、この世界で一番強い種族ってなんなんだろう。ま、その辺は、父さんに聞けばわかるか。

 




  〈その頃神界では、〉


 真っ白い部屋に一人の少年がベッドの上で下界の様子を見ていた。

 「いや〜、アクシスくん、強くしすぎちゃったかな〜。まぁ、面白いしいっか。イメージしないで魔法を使うとぼくがランダムで発動させるってことは内緒にしとこ。また今度会うのが楽しみだな〜。」

 そして、この後この少年(神)は、仕事放棄したとのことで上司に5年間の下界降臨禁止令を出され、死んだような顔をして部屋に戻ったらしい。


6話目の投稿です。作者の霊璽です。

今回は、アクシスとテオスの会話です。これで魔法の使い方はある程度覚えたアクシスがどう動くかは、次回をお楽しみに。

今回は最後にテオスを少し書きました。5年の下界降臨禁止令を出されたので、また5年後に出てくると思います。多分…

今回も楽しく読んでもらえたなら、嬉しいです。

それではまた次回の話で……

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