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解決したので戦ってみた。

 朝、俺は昨日見た夢を思い出していた。やっぱり、疑心暗鬼になっていたからため試してみた。よし、ちゃんとできたぜ。これで、一安心だな。

 もう一度、自分に何があるのか確認してみた。スキルは一つ、『スキル生成』だ。よし、使ってみよう。そう思い、俺は手をかざしながらスキルの名前をさけんだ。

 

 「『スキル生成』」


そう叫ぶとまた別のパネルが出てきた。今度はピンク色か。

 

 「えーっと、なになに、作りたいスキルの名前とその効果を打ち込め、か。」


 俺は1人でブツブツ言いながら、スキルを作ってみた。小一時間くらいで、できた。名前は『魔法生成』だ。魔法で物質、物体を作る『生成魔法』とは違い、自分で考え想像した魔法の特徴を設定して置くことで詠唱するだけで実際に使用することができるというスキルを作った。まぁ、簡単に言えばオリジナルの魔法が使えるってわけだ。達成感しかない。


 「いや〜、いいもん作った。どんくらい時間経ったんだこれ。ま、朝ご飯食べに行きますか。」

 また、1人ごとをいいながら両親のいるところに行くために自分の部屋を出た。


 外には、リリアが待っていた。なんか言いたげな顔してるな、しかもこの顔は少し機嫌が悪いな。なんでこんなことがわかるかというと俺は、この5年間でこの家にいる人の心理がなんとなくわかるようになったからだ。


 「今日は、お目覚めが遅いようですね。アクシス様」


早速、切り込んできたか。さて、どうしたもんかな。そんなん俺の好きでいいじゃんとか思うんだよね。まぁ、適当に返しとくか。


 「ああ、ちょっとね。久しぶりに夢を見てたんだ。ところで、父上と母上はもう朝食は食べたの?」


 「はい、30分ほど前に」

 

 まじか、道理で機嫌が悪いわけだ。この家に5年ほどいてわかったが、リリアはかなり時間に厳しい。前世がかなり時間に緩かった俺にはキツイことだ。でも努力はしているぞ。いや、ホントだからね。信じて。


 「父上は今どこにいるかわかるか?」


 「はい、今は自室で仕事をしていると思います」


 「そうか、じゃあ後で剣の稽古をつけてもらうとするかぁ〜。よし、じゃあ朝食、食べにいくか」


 30分くらいで朝食を食べた。その間リリアに貴族の振る舞いについて口うるさく言われた。だが、前世の15年くらいは箸を使っていたのだから、5年が経とうともナイフとフォークを使って食べることにまだ慣れてないんだよと、リリアに言ったってわからないと思うがな。


 さて、朝食も食べたし父さんのところに行くか。そして、父さんの部屋の前まで来た。


 コンコンコン


 「どうぞ」


 「失礼いたします、父上」

そう言って俺は、父さんの部屋に入った。


 「おお、アクシスか。どうしたんだ、今日は朝から何か用でもあるのか」

 そう言いながら、父さんは机の上にあった書類片付けた。


 「はい、少し剣の稽古をつけてもらいたいと思いまして。」


 「わかった、いいだろう。男が強くなりたいと思うのはいいことだからな」


 そう言って、俺の髪がくしゃくしゃになるくらい撫でながら高笑いする。これでも、実際強いんだから困ったもんだ。なんでこんなに強いんだよ、この人は。そんなことを思ってたら……


 「そうだ、今日はここの兵士と模擬戦でもしてみるか?」


 「本当ですか!、やったー!」

 ついにこの時がやってきたぜ。今までは剣術の基礎とか素振りとかで模擬戦はしたことなかったからな。嬉しいね〜。


 「よし、じゃあ訓練場に行くか」


 そう言って父さんと一緒に歩いて行った。いつも以上にワクワクしながら訓練場に向かう。そして、訓練場に着いた。今日も兵士の皆が模擬戦などの訓練をしている。素人目で見てもすごいことがわかる。すごいなここの人たちは……

 そう思いながら見ていたら、隊長みたいな人がこっちに気がついて挨拶をしてきた。


 「ようこそ、ケイアス様。本日はどのようなご用件で訓練場へお越しに?」


 「ああ、息子のアクシスに模擬戦をさせようと思ってな、連れて来たのだ」


 「はぁ、御子息様を、ですか?」


 「ああ、そうだが、何か不服かな。こう見えても結構筋がいいからな、早めに体験させておこうと思ってな」


 「わかりました。では、誰かやりたい者はおるか」


 そう言って隊長みたいな人(名前はストラ・ディールというらしい。)が全体に問いかけるがだれもやりたいとは言わない。まぁ、なんとなくわかってたけどさ。どうしようかな、この状況。5歳の子ども叩きのめしても、負けてもどちらとも兵士としての誇りが傷つくからね。

 そう考えていたら父さんが…


 「なぁ、アクシスはだれと模擬戦がしたい?」


 そう言いながら父さんが話を振って来てくれた。これは、有り難い。この言葉に乗らさせてもらおう。


 「はい、この中で一番強い人とやってみたいです」


 「いいだろう。ストラ、この中で一番強い者に準備をさせろ」


 「わ、わかりました。では、少々お待ち下さい」


 うわぁ、兵士の皆引いてるよ。まぁ、仕方ないか。こっちも待ってる間暇だし、なんか新しいスキルでも作ろっかな。よし、そうと決まれば移動するか。そう思い、人にあまり見つからない場所に移動した。

 なんかいいスキル浮かんで来ないかな………………よし、思いついたぞ。というわけで…

 「『スキル生成』」

 そう言うと、ピンク色のパネルが出てきた。10〜15分くらいで、できた。今回俺が新しく作ったスキルは、『超越ちょうえつ』だ。このスキルは、魔法以外のすべての技術において戦っている相手の攻撃のパターンを覚え、吸収、成長し、そして相手を超えるスキルだ。いわば、どんな相手にも負けないっていうわけだ。多分……

 このスキルは、常に効果が持続しているようにしてある。さて、そろそろ準備が終わった頃だろうし戻るか。

 訓練場に戻ると既に準備が終わっていた。


 「おお、アクシスか。さっきまでいなかったから心配したぞ」


 そう言いながら父さんが近寄ってきた。めんどくさいしとりあえず適当に返しとくか。


 「すいません、準備体操をしていました」


 「そうか、それはいいことだ。先程ルールも決まったのでなそのうち発表されるだろ」


 そんな話を父さんとしていたらストラ隊長が出てきた。多分、ルールのこととかの話だろう。


 「それでは、今からルールを説明する。説明が終わったあとすぐに、模擬戦を実行するので準備しておくように。それでは、ルール説明を行う…」


 話を聞いたがルールはいたって簡単だった。相手が降参するか、戦闘続行不能になったら終わり、ということだった。武器とかは使っても使わなくてもいいとのことで魔法の使用は禁止、以上のことがルールらしい。

 シンプルでいいね〜。俺好みの戦いになりそうだ。


 「それでは、各自準備に取り掛かるように。10分後に開始する」


 よし、じゃあ何しようかな。10分だろ、うーんどうしよっか。とりあえず、武器でも探してみるか。そう考えた俺は、ストラ隊長に聞いてみた。


 「あの〜、ちょっといいですか…」


 「はっ、どうされましたか?」


 うわぁ、どうしてそんなにお堅いのですか。自分の使えてる主人の息子に話しかけられてるだけなのに…まぁ、確かに父さんと話すときは敬語使ったほうがいいと思うけど俺の時はもっとこう楽にしてくれて構わないんだけどな。ま、いっか。


 「えっと、武器ってどこにありますか?」


 「はい。それでは、案内させていただきます。」


 「お願いします」


 3分くらいで模擬戦用の武器保管庫についた。種類がたくさんあるな〜。片手剣、双剣、短剣、長剣、大剣、さらに日本刀みたいなのもある。剣だけでこの種類の多さか。すごいな、ここは…

 俺は、日本刀みたい剣ていうか刀を手にした。やっぱ、元日本人だからかな、すごいしっくりくる。決めたぜこれにしよう。じゃあ、訓練場に戻るか。




 訓練場に戻ってきたら、中心に対戦相手らしき人が準備を終えて俺を待ってる感じだった。俺も、中心に小走りで移動した。見た目的にはそんなに強そうには見えない。筋骨隆々って感じでもないし、体型はいたって普通だ。

 武器は、長剣を一本腰に携えてるだけか。俺は刀だが、こいつのは、両刃剣みたいな感じだな。

 でもなんか、偉そうな感じの雰囲気があるな。俺のことを絶対見下してるな。こいつ…

 まぁ、いいや。こんな奴どうでもいいか、と思いながら話しかけてみた。


 「知ってると思うけど、名乗らせてもらおうかな。僕は、アクシス・フォン・ガーディナ。よろしく」


 「それでは、こちらも名乗りましょう。私はアーネスト・フィスフル。申し訳ございませんが、あなたの負けは決定事項なので、自分の部屋に戻ることをおすすめしますよ」


 話してみてわかった。こいつ嫌な奴だ。だが、俺はこういうタイプの人間の対処法は知ってるんだな。まぁ、プライドも高そうだし、自分が下に見られてると思わせれば簡単にイラつくだろう。


 「戦ってもないのに勝敗を決めるとは、余程自信があるようですね」


 「もちろんです。ここにきてからはあなたのお父様以外に負けたことはなかったものですから」


 「それでも父上に負けるなら、僕の敵ではないってことですね」


 俺はそう言って鼻で笑ってみた。そしたら……


 「よく言いますね、たかが5歳にこの私が負けるはずがございません」


 顔を見ればわかるがこの人相当イラついてるな。前世からそうだったけど、やっぱり人を煽るのって楽しいな。


 「じゃあ、もうやろっか。話してたって意味なさそうだし。隊長さん、始めの合図をお願いします。」


 ここで俺は、話を終わらせてみた。そしたら、アーネストだっけ表情には出さないように頑張ってるみたいだけど、あともうちょっとで怒りそうだよ。これは、試合が楽しみだな。


 


 「それでは、始め」



 合図とともに、両者同時に動き出した。

今回で3話目です。こんにちは、作者の霊璽です。

いや〜、今回の話はようやくスキルが使えるようになりましたね。まぁ、使えるようになったのは前の話で今回は実際に使ってみた、という違いなんですけどね。

そして、初めての模擬戦は一体どうなるのでしょうか。

次回は、多分ここがメインになると思います。

楽しみに待っていただけたら嬉しいです。それでは、また次回の話で……


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