90億 木を見て森を見ない証券マン
もともと毎日の業務が会社の分析が主任務であるはずの証券マンではあるがちょっと一本抜けているのは自分の会社や自分の業界にあまりにも無関心であるしそもそも分析しようとしないことである。
つまり自分自身の判断が甘いということである。
揃いも揃って一流大学を出て地頭はいいはずなのにその辺の思考回路が大きく欠如していた。
かつて4大証券の1社が倒産したがその前日までは自社株を顧客に勧めて、なおかつ自分でもたくさん買っていた馬鹿な奴がいる。
倒産後はすべて紙切れになってパーである。
「うちの○○証券がなんと100円以下で買えます!これは大バーゲンですガンガン買いましょう!」
と顧客にもこう勧めつつなおかつ自分のなけなしの金を投資して討ち死にした輩がたくさんいると聞く。
冷静な時は顧客に対して
「株は100円を切ったら赤信号です。ここは売っておきましょう」
などとて言ってるのに自分の会社のことになるとネジが飛んでしまい見境がつかなくなってしまった。
そのことを本人に言ったら
「僕なんかまだ良い方ですよ。来年結婚の予定だった僕の後輩なんかは夫婦二人揃ってせっせと自社株に結婚資金をつぎ込んでいましたからね。二人とも爆死しましたよ」
とけろっとしていた。
本当にめでたい人種である。
また意外と思われるかもしれないが総じて証券マンは次のような性格の傾向が強かった。
1 証券マンはメカに弱い(対人間だと異常に強いのだが・・・)
ちょっと新しいビデオカメラ屋やCD を買ってもろくすっぽまともに使えない。
また論理的な思考にも弱いので最初から取扱説明書を読もうともしない。
後輩や若い奴らに使い方を聞いてみても結果は同じ。
悩む人間の数が増えるだけのことであった。
2 簿記とかの細かい数字に弱い(大雑把この上ないどんぶり勘定型)
商業高校の女子高生がパスするような試験でも平気でどんどん落ちていた。
3 論理的な思考に弱い(結果オーライ主義)
いつも扱っている相場自体が論理を無視した存在なのでそもそも論理構築の訓練がなされていない。
よって筋道のたった話とか理論に弱い。
4 計画立てて何かに取り組むということがない(いわゆる出たとこ勝負型)
会社の夏季休暇なんかも課長から突然「おい!太田。明日から一週間休暇をとっていいぞ」
なんてものだから事前にきちんと計画を立てて物事を行う訓練がなされていない。
5 セールスに弱い。
自分が毎日苦労してセールスしているから自宅にセールスマンが来たらすぐに話を聞いて買ってしまう。
衝動買いで買ったものが異様に多い。
同類哀れみの令である。
以上のようでたらめな生態が証券マンの真の姿でありました。
そのくせ根拠のない自信と対人交渉だけは人一倍というより人100倍ありました。
このことだけは事実です。