表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/103

75億 新人研修 (レディさん)2

午後2時


いたずら電話といえばこんなのもやったっけ


また例によって自分の店に電話して新人の女の子が出たらなるべく低い声でゆっくりと「支店長」と一言だけ言う。


ここが肝心でゆっくりドスの効いた声で言うのがコツである。


すると女の子は支店長の客は超緊張して対応するので素早く

「あ、いつもありがとうございます。失礼ですが会社名を頂戴できますでしょうか?」

と丁寧に答える


そこで思いついた名前で

「株式会社ミイラ」

と低音で適当にくだらない社名を言う。


「ミニラ・・ですか?失礼ですけどももう一度お願いします」


「ミィニィラァや」


もう一度超低温でゆっくりしかも怒ったように言う。

ここ肝心です。


「はい!株式会社ミニラ様ですね。失礼しました。すぐに支店長におかわりいたします」


「支店長、株式会社ミニラ様からお電話です」


と店内に響く大きな声で支店長を呼ぶ新入女子社員。


「何?ミニラ?知らんなあ、なんやそれ?しかし変な名前の会社やな」


当然支店長が怪訝そうな顔をする。


「もう1回ちゃんと社名を聞け!そんな会社は知らん!」


怒る支店長。


新入女子社員は周りの先輩レディースさん達に「どうしよう」と聞くが全員電話中なので取り合ってくれない。


ここで彼女はすぐ死ぬ小動物のような感じでもじもじしながらどうしたらいいのかわからないような振る舞いを取る。


そこでしばらくして意を決して電話に出る。


「あのー、すいません。もう一度お会社名を頂戴します。本当にすいません」


「何遍も言わすな!ミニラ」


さらにもう一段階オクターブを下げて言う。


もう完全に泣き顔の新入女子社員。


「あのー、支店長。やっぱりミニラさんとおっしゃってますが・・・」


「バカもん!そんなふざけた会社知らん!お前は仕事なめとるのか!」


「え?え?え?」


と彼女は受話器を持ったままどうしていいのかわからなくて狼狽する。


そこで私たち先輩はその姿に堪能してそっと受話器を置くのであった。



新人教育カリキュラム修了


いやごめんなさい



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ