表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/103

45億 男はルールが肝心

男はルールが肝心


非常に勉強になった話しをひとつ


4月10日 午後10時


太田君は一番馴染みのある顧客、上原社長と超のつく高級バーに誘われてバーボンを飲んでいる。


「社長、来月からカナダ行くって本当ですか?」


「ああ、別荘を買ったから家族で永住や」


「あ、この前の神戸製鋼の利食いで買った別荘ですね」


「そうやわしのルールで5億円株で儲けたら足を洗うと決めてたからな」


「でも株は今からまだまだ上がりますよ!」


「上がってもええんや。これはわしの決めたルールやからな」


「なんか勿体ないですね」


「いいか、株は博打なんや。いくらええかっこしても競馬とかパチンコとそう変わらん」


「まあそういわれてみれば・・・」


「博打は引き際だけが肝心なんや。負け時は神様が決める。金が無くなったら終わりだからな」


「はい、それはわかります」


「問題は勝ち時や、これは神様が決めれない。唯一自分が決めなければならん」


「はいパチンコで苦い経験をしていますから理解します」


「そこで自分なりのルールを決める!例えば株が1割上がったら絶対売るとか、倍になったらやめるとか数字は人によって違うけどとにかくルールを決める!これが大事なんだ」


「はい、他のお客さんでもそのようなルールを持った人がいます」


「そうやろ?わしの場合のルールは5億円勝ったら引く!これだけのことや。男はルールが肝心!!」


「そういえば先週5億以上になりましたよね」


「そうや、だから今日はお別れ会やから好きなものを飲み食いしていってくれ」



このように上原社長は言葉通り口座全部を処分してカナダへと移住していった。


その1年後バブルが弾けて大暴落が始まったが上原社長は優雅にカナダの別荘で過ごしていたのであろう。


証券会社にいて勉強になったことは会社内の上司からではなくすべて経営者の顧客からであったように思う。


それはそうである会社経営の経験を持たないサラリーマンとかたや会社経営に成功して余剰資金を株の運用にまわすほどの余裕のある社長連中では雲泥の差である。


このことだけは証券マン時代にいい経験をさせていただいたと今でも正直感謝します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ