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16億 ぎりぎりの夜討ち朝駆け

16億 ぎりぎりの夜討ち朝駆け


4月25日  午後11時30分


「社長、お願いしますよ。あと30分で明日になります。今日中になんとか決めてくださいよ」


「おいおい、わしは寝ていたんだぞ。頼むから寝かせてくれ」


「社長、投資信託2000万円今この瞬間に決めてくれたら男らしく電話切ります。」


「わかった、前の投資信託を売って乗り換えてくれ」


「ダメなんですよ。まだ2年間のクローズ期間があけてないんで、お金が出ません。何か株を売って乗り換えか、新たなキャッシュでお願いします」


「そしたら利が乗っている、例の川崎製鉄2万株売って乗り換えといてくれ。もう眠いわ、かんべんしてえな、ほんま」


「ありがとうございます!それでは川鉄明日売って。投資信託2000万円分買わせていただきます!おやすみなさい」


実際にあった話である。


当時では一週間のうち早く帰れる日(9時以前に帰れる日)というのはほとんどなかったように記憶している。


「さあ!今日中(午前零時という意味)に仕事を終わらせて帰ろう!」という営業課長の声はしょっちゅう聞いていた。


一番迷惑なのは、そのとばっちりをくらう客でありその家族の方である。


当時はまだ携帯電話なるものは、あまり普及していなくて(自動車電話はあったが・・・)、夕方以降に、客をつかまえるためには自宅に電話をかけるしかなかった。


このケースは相手の寝込みを襲い、「早く寝たい」という気持ちと判断力のにぶさにかまかけて一気に注文をとってしまうのである。


非常識な時間にかける事で叱られる事はあっても、後述の酒の席でのように「言った言わない」の論争にあまりならないのがミソである。


逆に恐いのは夜遅く寝る客に電話した時である。


むこうはヒマなものだから、ちょうどいい話相手とばかりに「今、ニューヨークの為替はいくらだ?」とか「ロンドンのワラントはどうだった?」とかとにかく商売にならないとりとめのない話に付き合わされる。


これには本当に閉口する


机のむこうでは営業課長が「早く電話をおけ!」のサインを出している時などはどうやって話を切ろうかとこちらが悩む事となる。


夜中の証券マンの撃退方法・・・とにかく自分のペースで具にもつかない事をやたら長々と話かける事。(これに尽きます!!)


めんどくさい調べ作業(とくに海外ものは効果大)をたくさん頼む事。

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