表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その恋、機械仕掛けにつき。  作者: chick
第一章 ハインツ・シュヴァルトマン
7/23

朝のひととき

「……ふぅ」



朝の静かな電車の中でサラが憂いげについた溜息に、ハインツは目ざとく反応して問いかける。


「どうかしたんですか?」



「ちょっと疲れちゃって……でも、明日は休日ですから、頑張ります!!」



「……っ…!…そ、そうですね」



小さくガッツポーズをしたサラにハインツは真っ赤な顔で相槌を打った。



そうして電車を降りると、サラよりも大柄で人ごみをかき分けるのに手間取っているハインツが追いつくのを待ち、2人で並んで歩き出した。



「シュヴァルトマンさんは、甘いものお好きでしたよね?」



「え?えぇ、まあ」



「実はカフェの新作ケーキ、私が考えたものを置いてもらえることになったんです!」



サラはお菓子作りが趣味というのが幸いして、自作のケーキをカフェでメニューとして置いてもらえることになったのだった。



「それはそれは…おめでとうございます!」



「もしいらっしゃったらぜひ食べてください」



「もちろんです!」



サラは返事を聞いて微笑み、手を振って外国語学部の校舎へ入っていった。



「…おい、ハインツ」



「いつからそこにいたんだ…」



ハインツの良き理解者・トマスはサラの背中を見送っていたハインツの肩に手を回した。



「彼女とはどんな感じなんだ?ん?」



「茶化すな。」



普段は誰にでも親しげのある笑顔を振りまくハインツも心を許すトマスの前では素の自分をさらけ出せる。



「お前のことだから天使の笑顔で猛アプローチしてるかと思ったのに、全然だなあ」



「…うるさい…彼女の前だとうまくいかないんだ…未だに彼女のこと、何も知らないし…朝とカフェでしか会えないし……」



「……そんなお前に、俺からプレゼントがある」



そう言ってトマスが差し出したのは劇場のチケットだった。受け取ったハインツは目を丸くしている。



「どうせデートにも誘えてないんだろうが。

チケット高かったんだから成功させろよ?」



トマスが普段はおちゃらけているものの、こういう時はかなりしっかりした優しくて良い奴だということをハインツは知っている。そして彼のこういうところが好きなのだ。



「ありがとう。」



「おう!」



ハインツは今日もカフェへ行って渡しに行こうと決意したのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ