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その恋、機械仕掛けにつき。  作者: chick
第一章 ハインツ・シュヴァルトマン
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日記 5月21日

5月21日 曇り


今朝も彼女と話した。

最近は近くの店を見て回るのが楽しみらしい。

しかしハドイツェル語を桜花語に翻訳する課題が大変らしく、僕と話しているときも時折眠そうな表情を見せた。その様子も大変可愛らしく、僕はきっとだらしない顔を晒していたと思う。


そして僕の中で彼女の存在が大きくなりつつあるのを感じる。彼女が常に側にいないと不安で狂ってしまいそうになる。まさかこんなにも電車を降りたくなくなるとは思ってもみなかった。


だから友人のツテをたどって写真館の息子だという男に彼女の写真を集めさせた。そのうち一番好きな写真を手帳に挟んで今はどうにか理性を保てている。


しかし時折学内で彼女を見かけることがある。

彼女の周りには常に人がいる。男女問わず、だ。

鼻の下を伸ばして彼女に近づく男どもにとても腹が立つ。たとえ女でも、彼女が笑顔を見せていることが腹立たしい。そんな時は手帳に挟んである僕だけに向けられた笑顔を見る。

すると怒りは面白いくらいスルスルと消えていく。我ながら単純な男だと思う。


彼女はこんな醜い僕を見てどう思うだろう。

彼女に嫌われてしまったら僕はもう生きていけない。

でも思う気持ちは止められない。

どうすれば良いのだろうか。

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