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天使か、はたまた小悪魔か。
「うーーーーーん……」
やっと講義が終わり、サラはぐっと背伸びをした。
「あれ、き、今日はもう終わり?」
同じ学部の男子生徒がサラに声をかけた。心なしかぎこちなさげではあったが、サラは特に気にする様子もなく答える。
「うん、今日はもう帰るの。」
「…そ、それならオレと、これから…その…」
男子生徒の顔はみるみるうちに真っ赤になり、口ごもってしまった。
「??どうかしたの?顔が真っ赤だわ」
「あ、いや、その、これは…」
「風邪かもしれないわ、無理はしないでね?それじゃあ私はアルバイトがあるから…じゃあね」
「う、うん…じゃあ…ね」
サラが微笑みながら手を振るのを男子生徒は見送ることしかできなかった。
「……はぁ。」
「諦めな。ミス・ミヤコを落とすのはいささか難しいぞ」
男子生徒の友人はどこからか出てきてやれやれと首を振った。どうやら全てを見ていたようだった。
「彼女はたとえ国一番の美男子でも落とせないだろうよ。なにせ、あの天然っぷりだからな。ま、そこが彼女の魅力でもあるけれど」
「…だよなぁ…」
男子生徒はがっくりと肩を落とした。